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ミーシャがゴブリンと戦闘を始めてる同時刻プリンもまた考え事をしていた。
キングレオ戦にて私は自分の手札の少なさを実感した。一応剣士を名乗ってるので剣を主体に戦闘をするはずだが、以前のクマさん退治で拳を扱ったことで拳関連のスキルツリーが生まれてしまい、さらに言えば剣よりも拳の方が強いという状況になっている。これは私としては由々しき事態だ。私の目指す剣士はよくアニメとかで出てくるような華麗な動きで敵を翻弄して倒すという、スマートな戦い方なんだが今のところスマートさが一切感じられない。なんなら拳も交えてやってる辺り蛮族の方が近しいのが解せぬ。てか、拳で方が戦績がいいためこのまま行けばZ戦士の仲間入りを果たしそうな勢いまである。響きだけ聞けばそれは嬉しいけど、何度でも言うが私は剣士をめざしてる。武闘家をめざしてる訳では無い。というわけで本格的に私は剣を使った色んな戦い方を模索するターンを考えた訳だが、ここで一つ個人的に気になってることがある…。それは武器の種類だ。
アルナさんから選別で貰ったのは両刃のいわゆる西洋風の剣でファンタジーと言えばこの形って感じの剣を持ってる訳だが、今の私の見た目を考えると両刃のこの剣よりも細剣事【レイピア】の方が見栄えとしては良さそうではないか?攻撃力こそ落ちてしまうが、私のステータス的に素早さがかなり高くなってるためそれも悪くないだろう。あとは両手剣というイカつい武器をぶん回すのも悪くないがそれは騎士様ではなくどちらかと言えば戦士とかの方が似合うため却下だろ?で、私は更に考えた。事の発端はアルナさんに武器を作ってもらおうと言うところから火力がないっていう話に繋がった訳で、そのアルナさんに依頼した剣もスタンダードな両刃の片手剣なんだが、選別で貰った剣をすぐに使い捨てるのもなんか違うよなと思うのでいっその事双剣みたいな感じを取れないかと考えた。私のイメージする剣士は片手剣のみで戦うがいずれは騎士様みたいな扱いもされたい。漫画やアニメでの戦う姫様【戦姫】は片手剣が多いが双剣の姫様もいる訳だし、今の私の名前と見た目的に合ってるといえば合ってるだろう。まぁ、何が言いたいかと言うとスキルによって手札を増やせないなら扱える武器種を増やして手札を増やそうという作戦だ。武器によって得意な距離やモンスターも変わるだろうだろうがその辺は私の足の速さでカバーすればいい。結局どのゲームも素早さ攻撃力が高く、クリティカル率もあるヤツの方が強いってみんな行き着くはずなんだ。私この手のゲーム初めてだけど。
「…ていう訳でアルナさん売り物にならなかった武器あるぅ?」
「揃いも揃ってあんたら初心者組は遠慮を知らないわねぇ?」
色んな武器を使いたいなら、やはり武器屋に行くのか一番だが、街に備え付けてあるお店はNPCがやってるから武器について聞いても定型文みたいなものしか返ってこないし、何よりわざわざ武器を買わないといけない訳だが、アルナさんのようにプレイヤーが経営してるお店なら買うことになっても値切りも効くし、今私が頼み込んでるように処分予定の武具を貰える可能性だってある。なにより的確なアドバイスが貰えるから断然こっちの方がお得な訳で…。
「アルナさん逆に考えて?私が色んな武器使いだしたらアルナさんにたくさん依頼する未来が見えると思うの?」
「まぁ、そうね?」
「そうしたらアルナさんはお金がたんまり入って嬉しい!そして依頼した私も出来が素晴らしい武器を手に入れて嬉しい!これ。WinWinな関係値じゃない?」
「ミーシャちゃんにも言ったけどアンタら歳で言えば高校生とかその辺でしょ?なんで値切りに来たり上手い具合に頼み込みに来るのよ…。」
「未来の太客からのおねがい聞いてくれないんですかぁ……?」
「そんな目をウルウルさせても私から出せるものはほとんど無いわよ。」
「売り物にならないものがほとんど出ない程の凄腕職人さんなの!?」
「駄作はできたらすぐに解体して僅かでもいいから素材に戻してるのよ。」
「そ、そんな…。試作品とかすらもないの?」
「試作品とかはあるけどそれはちょっと…」
「試作品でもいいんで譲ってください!攻撃力があるなし関係なく私は色んな剣を使いたいんです!」
「言ってもこの世界の武器はオーソドックスな両刃の片手剣と大剣。で、貴女が求める細剣ことレイピアに、ナイフとかの小さい刃物くらい。剣士って言う職に就いてるなら大剣も短剣も似合わないから必然的にレイピアかオーソドックスな両刃のやつしか残らないわよ。」
「じゃあその二種でもいいんでお願いします!」
「…はぁ。分かった分かった。私の試作品のいくつか渡すからそれ使って遊んできなさい。で、使用感を確かめた後私に報告ね。例の大会後剣をあげる約束になってるんだから、その時にミスリルで作った片手剣の他に別のやつもついでに作ってあげるから。」
「ほんと!?ありがとうアルナさん!! 」
「試作品達に振り回されないように気をつけなさいよ?」
「大丈夫大丈夫!私この世界でなら身体能力高いから!!」
ウィンドウを開いて試作品達を数個選択しプリンに譲渡し、受け取ったのを確認するや否やウキウキでお店を後にする。
「はぁ……。賢いのかおバカちゃんなのか分からない子ねプリンちゃんは…。」
プリンと入れ違うようにマキトが店に入ってきて呆れた様子のアルナを見て問いかける。
「オイッス〜。その感じさっき入れ違ったプリンちゃん関連かぁ?」
「彼女もそうだけど、そのお友達も癖が強い子よ。」
「あーいうタイプの初心者は中々見ないから貴重ではあるが、その分こっちの常識を逸脱することもあるからなぁ…。ま、それはそれで外から見る分には楽しいけどな?」
「彼女達の被害にあってる私は楽しさがこれっぽっちもないわよ全く…。」
「それで?プリンちゃんがウキウキで外でたのってなんか訳がある感じ?」
「攻撃の手札が欲しいからって色んな剣を試したいって私に相談してきて、圧に負けて前見せた試作品をいくつか渡したのよ。」
「あー…。あの取り扱い危険物渡したんだ。」
「忠告はしたけど素直に聞いてるかは怪しいところねぇ。」
「あの子なら 上手く使えるでしょ。規格外の初心者だからね。 」