チャリン、と指先から鍵が滑り落ちた。
あ、と音にならない口が開くと、目の前で屈んだ総一朗が鍵を拾った。
代わりに施錠を解いて、ドアを開けてくれる。
「ほら」
背中を軽く押されて「うん」と頷きながら、慣れ親しんだ自宅に入った。
玄関先でパンプスを脱ごうとすると、彼がすぐさま腕を掴んで支えてくれる。
彼につかまり立ちながら足首を振って、脱ぎ落とす。
と、彼が小さく息を吐いて、パンプスを揃えて置いた。
「……ありがと」
「いいから上がれ」
「うん」
一体どちらの家だろうかと思いながら、促されるまま家に上がる。
「邪魔するぞ」
宣言すると、靴を脱いだ彼が家に上がる。
会社から片道四十分。
駅もコンビニも近い、八階建てマンションの五階。
エレベーターは各階に止まる。
マンション内の過度な干渉もない。
隣は私と同じ、女性***********************
****************************
*********************
*********
**********************
**********************
*****
*************
コメント
1件