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21 - 第21話 蛙

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2025年01月23日

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「いただきまーす!」

元気よく箸を手に取った萌香だったが、目の前の「それ」を見て固まった。

「……え?」

テーブルの上には、白い器に山盛りになった奇妙な物体

「ちょ、ちょっと待って! これ、なに!?」

いさなが動揺しながら、震える手で器を指差した。透明なゼリーのような液体に包まれた……小さな脳みその形をした物体。

「こ、これは……カエルの脳みそ!?

萌香の叫び声が食堂に響き渡る。

「えぇぇぇっ!? いやいや、そんなわけ……」

みりんが慌ててスプーンですくい上げ、まじまじと観察した。ぷるぷると震えるそれを見つめ、眉をひそめる。

「……うん、見た目は完全にアウトだね。」

「なんでこんなものが朝食に出てくるのよ!? 先生、どういうこと!?」

いさなが先生を睨みつけると、先生は楽しそうに微笑んだ。

「んー? あぁ、それはね、『異文化体験』ってやつさ!」

「異文化体験!? いや、どこの文化だよこれ!」

萌香は涙目になりながら、スプーンを持つ手が震えていた。

「おいしいよ? ほら、勇気出して一口!」

先生は無邪気に一つを口へ放り込み、サクッと噛んだ。

「……うん、意外とプリプリしてるね。」

「無理無理無理無理!!!!」

萌香は全力で首を振った。

「ふふふ……私、こういうの嫌いじゃないよ。」

みりんが余裕の表情で、スプーンをくるくると回しながら不敵に笑う。

「……お、お前……まさか……」

「いただきまーす!」

みりんは迷いなく一口食べた。

「……」

沈黙。固唾を飲む萌香といさな。

「……うん、悪くない! プリンみたいな食感で、意外と味は薄い!」

「ガチか!? いや無理無理無理!!」

萌香は泣きそうになりながら、逃げるようにご飯に手を伸ばした。

「ふ、普通のご飯ください……」

そんな中、いさなは顔を青くしながら、震える声で呟いた。

「……これ、もしかして……夢、じゃないよね……?」

「現実だよ。」

先生の満面の笑みに、3人の胃袋は絶望を感じるのだった。

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