テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
──昼休み、誰もいない教室で。3人だけ。
蓮司
「“チャイム鳴ってから席立つ先生”、なんなんだろうね。
もう時間過ぎてんのに“じゃあ最後にこれだけ”って、授業のラストターンに突入してくる」
日下部
「……“もう一言”が10分続くタイプ、いるよな」
「でも“空気で引き下がらない強靭な精神力”は、ちょっと見習いたいかも……」
遥
「……チャイムって、“逃げていい合図”じゃねぇの?」
「鳴ってんのに止めてくれないのって、
“檻のドアが開いたのに、出口に手が伸びない”みたいな感覚ある」
(間)
蓮司
「そういう例えするの、すげぇな……」
「でもまぁ、オレは“昼休み突入”が一番好きだな。
教室の空気がゆるんで、ちょっとだけ無敵っぽくなる時間」
日下部
「……わかる。特に、誰も話しかけてこない昼休みは、
“このまま一日が終わればいいのに”って思うくらい落ち着く」
遥
「へぇ……オレ、昼休みが一番怖かったけどな」
「誰もいないと“何されるか分かんねぇ時間”だったし、
誰かいると“また何かやられる”って感じで」
「“休み”って名前のくせに、全然休めなかった」
(沈黙)
蓮司
「そんなん……“真の自由時間”を知らずに生きてきたの、哀しいな」
「ほら今度、購買でメロンパン奢ってやるから、
昼休み=メロンパンって脳に書き換えとけよ」
遥
「は?なんでメロンパン。……てかオレ甘いの食わねぇし」
日下部
「……“脳に書き換える”って、なんかこわいな」
「でも、確かに“こわかった時間”が、“どうでもよくなる時間”に変わるなら……
それって、ちょっとだけ救いかもしれない」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!