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やっとの思いで、奈美は豪に想いを打ち明けた。


彼女は、長い告白をしている時の顔が、涙でぐしゃぐしゃで、相当酷い顔をしていたかも、と思う。


それでも彼は、真剣に聞いてくれたから、とても嬉しい。


奈美に想いを伝える前、豪は、口淫しながら荒々しい言葉遣いで攻め立てた。


彼女といる時の彼は、落ち着いた雰囲気のイケメン紳士って感じだから、少し驚いたけど、恐らくそれが、素の豪なのかもしれない。


それは、奈美の好きな男性のタイプ『オラオラ俺様系』で、彼女は声を上げ、感じながらもドキドキしていた。




『俺の中では…………奈美は…………人生で初めて一目惚れした女だ……!』


豪が言ってくれた言葉を思い返すと、胸の奥がキュンとする。


まさか彼が、奈美へ想いを寄せていたとは、夢にも思わなかったから。


『本当は今すぐにでも…………奈美を抱きたい』


豪は奈美に、キスと身体の愛撫でとどめた。


彼が抱きしめてくれた時、下腹部に硬い物が当たるのを感じていたけど、二人で会っている時、口淫しながらこんな状態だったのか、と考えると、奈美は申し訳ないな、と思う。


豪は、彼女と週一で会ってクンニしている時は、常に、蛇の生殺し状態だったのだ。




彼の腕の中に包まれて、彼女は、幸福感で満たされている。


豪の身体は引き締まっていて、以前、運動していたのか、全体的に筋肉が綺麗に付いている。


腹筋も割れているし、肩幅が広く、腰回りが細い逆三角型。


胸板も適度に厚い。


それに、抱きしめられている時に感じる硬くなった男根は、まさに『オトコの身体』だ。


豪の胸に顔を寄せたまま、じっとしていると、トクントクンと命の鼓動が微かに聞こえてくる。


「奈美……」


豪に、顎を持ち上げられ、触れるだけのキスを落とされた。


この日から、彼は奈美を呼び捨てるようになると、それが嬉しくもあり、くすぐったくて気恥ずかしい気分。


「ずっと黙ったままだな。考え事でもしてるのか?」


さすがに、豪の屹立が彼女の太腿に当たって気になる、なんて恥ずかしくて言えない。


無意識に顔が熱を纏っていくのを感じて、奈美は顔を伏せる。


俯いたままでいると、彼女が豪の下腹部を見ていると、勘違いしたようだった。


「あ……もしかして…………気付いたか」


奈美が、ぎこちなく顔を見上げると、彼は、バツの悪そうな顔をした後、苦笑いを浮かべた。

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