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~数日後~


サイコロは庭園に居た。

あの一件から、サイコロはレイに会えずにいた。ロビンとも施設内で顔を合わせることはあっても、話をすることはない。


そのためサイコロはこの数日、孤独感を感じていた。最も真実を知った今の状態で、レイやロビンと会っても前みたいに接することができる自信は無かったが。



いつも一人で庭園にいるときは、芝生の上でぼんやりとガラス張りの空を眺めているだけのサイコロであるが、今日は庭園の中を散歩している。

あちらこちらに咲いている植物を見ながら散歩をしていたサイコロは、ふと、ある植物の前で立ち止まった。


紫色の球根が集まった、不思議な雰囲気を放つ植物。植物には一切興味がなかったサイコロであったが、何故だか分からないがその植物にひどく惹かれたのである。

サイコロがその植物に触ろうとした時であった。


「素手で触るのはやめた方がいいわ。手が痒くなっちゃうわよ。」


後ろから女性がこう話しかけた。

サイコロが振り向くと、そこにはショートヘアの星の型をした耳飾りをつけた、白衣を着た女性が立っていた。

サイコロはその女性に見覚えがあった。これまで話したことはなかったが、この研究所でたまに見かけていたのである。サイコロは彼女にこう返す。


「すみません。教えてくれてありがとうございます。」

「ムスカリっていうのよ。綺麗だけど、球根に微量の毒があるの。

彼女はこう続ける。


「私はムスカリの花言葉が好きなの。寛大な愛。私は神様のように慈愛に満ちた人になりたいから。」

「寛大な愛…  」


彼女はサイコロの顔を眺めながら、こう言った。


「あなた、そんな声で喋るのね。初めてあなたの声を聞いたわ。」

「お話しするの初めてですよね。No.3156です。よろしくお願いします。」

「私もここの職員だからあなたのことは知ってるわ。あなたのことは、サイコロって呼べばいいのかしら?」

「僕のあだ名、知ってるんですね。」

「私、ロビン君と仲がいいから、よくあなたのことをよく聞いてるわ。」


彼女はこう続ける。


「レイくんとよく遊んでいるのでしょう?いつも何をして遊んでいるの?」


今のサイコロにとってはかなりきつい質問であった。彼女はこの前の出来事を知らないのだろうか。

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