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夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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「お前…………彼女の事……調べ上げたのか?」
『当たり前でしょ? 圭のためなら、ライバルの“急所”を突く事くらい、どうって事ない』
憤怒を堪えた声色で、千夏に問い掛けると、圭は震える手で拳を作り、ソファーに叩きつける。
「お前と関係を結んでいた頃の俺とは違うんだ。今の俺は、彼女しかいない。もう俺に二度と連絡してくるな!!」
『私は圭を諦め──』
千夏が何かを言い掛けたが、圭は構わず通話を終了させる。
「……このまま…………終わらせてたまるかよっ!!」
悔しさに任せ、圭はスマートフォンを強く握り締めていると、美花の屈託のない笑顔が脳裏を掠めていた。
──仕事が落ち着いたら、必ず美花に会いに行く……!
そう決心した圭は、ベッドルームに足を向けると、疲労困憊の身体をベッドに預けた。
***
美花に会えない気持ちで悶々とする中、二〇二六年度がスタートした。
新年度に入ってすぐの四月の第一金曜日。
圭は一階のロビーで、小中学校時代の親友、響野侑が来社するのを待っている。
開発中の楽曲アプリ『スマートミュージック』のトランペットの音源を、侑の奏でる音で収録作業をするためだ。
正面玄関から、楽器ケースを持ち、カジュアルな出立ちの侑が入ってくる。
受付で来社許可証を受け取った友人が、悠然とした歩調で圭に近付いてきた。
「響野さん。本日はお忙しい中、ありがとうございます」
「…………お世話になります。よろしくお願いします」
圭と侑が向き合い、深々と一礼し合った。
互いに向き合いながら、視線を交えると、侑が口角を微かに吊り上げる。
仕事で侑と会うのが初めて、というのもあり、圭は、どこか照れ臭い。
「…………圭。堅苦しい挨拶はここまでにしよう。俺は今日、仕事というよりも、圭に協力するために来たんだ」
「侑、本当に助かる。ありがとう。じゃあ……行こう」
圭が先導し、三階のDTM事業部内にある防音室へ案内した。
コメント
1件
いや〜、圭くん、千夏にビシッと言い切ったの気持ち良かった!「今の俺は彼女しかいない」って、もう完全に美花一筋じゃん。でも最後、侑との再会シーンで雰囲気ガラッと変わってなんかホッとしたわ。親友と仕事できるって良いな〜。二人の収録、どんな感じになるのか楽しみ!