総一朗のお蔭で何とか無事に社内プレゼンを終え、沈痛な面持ちで終業後に彼の元へ行く。
すると彼は、少しの間を置いて、
「今日の夕飯は、俺の家でいいよな?」
と、言った。
質問の真意を探る前に、彼が席を立った。
慌てて鞄を持ち、さっさと歩く彼を追いかける。
エレベーターを待っている間、乗っている間、ビルを出ても尚、何も話さない彼の背中に、声を張った。
「そ、総一朗っ?」
不安が、声に出ていたと思う。
彼はぴたり、と足を止め、ゆっくりと振り返った。
無表情な中に浮かぶ瞳が、やけに覚悟めいた色をしていて、驚いた。
「――今日は、酒はなしだ」
突然の禁酒令に、私は「あ」と口が開いた。
ああ、これは。
ピリ、と肌に電流が走るような感覚がする。
ああ、これは、
何だかとっても、
怒っている。
彼の家の食卓へ着***************
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