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重田💋(omoda)
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#イケメン
蒼乃 月
30
226
瑠璃マリコ
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「…………美花は……」
躊躇いがちに彼女の名を口にした雪は、俯くと、意を決したように天を仰ぐ。
「美花は…………静岡に異動になったんですよ」
「…………え?」
寝耳に水、というのは、今の自分の状態を指す事なのだろうか。
圭は、背中を強く突かれたような衝撃を受ける。
彼女と会えない間、メッセージアプリで美花とやり取りをしていたが、静岡へ転勤になった事は一度も知らされていない。
「静岡には……いつから…………転勤になったんですか?」
雪に色々聞きたい事はあったが、喉が焼け付くようにヒリヒリして、うまく言葉が出てこない。
「来月の一日、向陽プリントテクニカルの静岡事業所が開所するんですよ。開所前の準備として、美花は連休明けから静岡で仕事してます。先月、本社から東京事業所に『良い人材はいないか』と打診があったようで、所長が美花を推薦したようです。正式に辞令が下りる前に、所長から直接『静岡事業所に行って欲しい』と言われたようで……」
彼女の母が、圭に美花の静岡行きの経緯を話す。
(どうして…………何で俺に……ひと言も言ってくれなかったんだっ……美花っ……!)
無意識に握り拳を作っていた彼の手が、小刻みに震える。
恋人から大切な事を全く打ち明けてくれなかった事に、圭は愕然としてしまい、虚しさとやり切れなさ、情けなさが一気に襲い掛かった。
「これ、美花からです。葉山さんに渡して欲しい、と……」
俯き加減に茶碗を凝視していると、圭の前に、雪からピンク色の巾着袋を差し出された。
淡色系の綺麗なラッピング袋を手にした瞬間、圭の手のひらに、ズシリと沈み込む感覚が伝わり、彼は、いささか顔を歪める。
「ありがとう……ございます……」
彼は両手で丁重に受け取ると、カウンター席から立ち上がり、会計を済ませた。
「葉山さん……。美花が…………本当にすみません……」
口元を引き結んでいた雪が、様子を伺うように口を開くと、圭に向かい、深々とお辞儀をする。
「いえ……。ごちそうさまでした」
圭は、雪に会釈をした後、引き戸を開け、店を出る。
(美花……何でなんだ……!)
頭の中が真っ白に霞んだ圭は、忽然と彼の目の前から消えた美花に、疑問しか出てこない。
おもりを付けられたような足取りで、彼は虚無の波に揉まれながら、自宅マンションに戻った。
コメント
1件
うわあああ美花ちゃんが静岡に…!?😭しかも圭くんに一言も相談なしで転勤って…それはショックすぎるよ…。ずっと会えない間のメッセージも何か隠してたんかな。最後の雪さんからの「本当にすみません」の謝罪も重くて、読んでて胸が締め付けられた…。次どうなるんだろう、めっちゃ気になるよ!!💦