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皆さんこんにちは!
芽花林檎です!
今回も続きを書いていきます!
それでは、ご覧ください!!
市場を後にしてからも、
暖樹(はるき)の頭には言葉が残り続けていた。
ーそう思ってくれる人がいて、良かった。
何故だろう。
何度考えても不思議で仕方がなかった。
硝子の装飾は、彼女のものではないのに。
作ったわけでもないのに。
なのに。
まるで、大切な何かを認められた人のような言い方だった。
暖樹は夜空を見上げる。
星が、瞬いている。
冬の星はよく見える。
空気が、澄んでいて。
冷たい空気の向こうで、小さな光が、柔く、淡く、静かに、輝いている。
ふと、あの少女も今どこかで空を見ているのだろうか、と思った。
理由は知らない。
だけれど。
どうしても、そんな気がして仕方なかった。
それから、数週間。
暖樹は時々市場へ足を運ぶようになった。
別に、彼女、を探しているわけではない。
そう自分には言い聞かせた。
ただ、買い物を頼まれたから。
ただ、散歩したかったから。
ただ、夕暮れの空が、どうしようもなく綺麗だったから。
理由は、いくらでも作れた。
そして、何度か市場へ行った後。
暖樹は、また彼女を見つけた。
市場の端。
今度は、雑貨屋とは反対の、市場の端。
噴水がある広場。
石造りの、仏の上。
暖樹は少し離れた場所から視線を辿った。
一羽の、小鳥。
小さな灰色の鳥が地面を跳ね回っている。
彼女は、何も言わない。
ただ、見ている。
その様子が妙に真剣で、
暖樹は思わず近づいた。
「鳥、好きなんですか」
彼女は少しだけ顔を上げる。
この前みたいに、彼女は暖樹の姿に驚かなかった。
少しだけ、慣れ始めているのかな。
そう思った。
「…….好き、かはわからない」
少し考えた後、そういった。
そして。
再び鳥を見る。
「でも」
そこで言葉をつづけた。
「自由」
暖樹は鳥を見る。
小さな鳥。
灰色の、鳥。
特別、綺麗だとは思わない。
ありふれた鳥。
よく見る、この辺りでよく見る、鳥。
「自由、かあ」
そう呟く。
彼女は何も言わなかった。
ただ、鳥を見ていた。
やがて、鳥は羽ばたき、
また、夕暮れの空へ飛び立っていく。
群青と、橙色、その境界線へ。
彼女の視線もそれを追った。
暖樹はその横顔を見る。
その目は、
まるで何かを思い出しているようだった。
あるいは、
何かを、願っているようだった。
「飛んでいきましたね、鳥」
暖樹が言う。
「……..うん」
少しだけ間をおいて、静かに暖樹は続けた。
「空は、広いですから」
暖樹は空を見上げる。
どこまでも、続く冬の空。
当たり前のように見てきた空。
けれど今は少し違って見えた。
何故だろう。
同じ空を見ているはずなのに、
彼女は自分と違うものを見ている気がする。
その違いを知りたかった。
どんな風に空を見るのか。
どんな風に、貴方の瞳に世界が映るのか。
けれど暖樹は訊かなかった。
まだその時ではない気がした。
だから、代わりに言う。
「今日は、空が、綺麗ですね」
彼女は少しだけ目を細めた。
そして、夕暮れの空を見上げながら、
小さく頷いた。
「綺麗」
その返事は、
初めて会った日の「そうですね」よりも、
少しだけ。
温かく感じた。
今回もお読みいただきありがとうございました!!
また次のお話でお会いしましょう!
余談:(しつこくてごめんなさい)XのLinkです↓
https://x.com/RingoMebana
もしよければ、フォローよろしくお願いします!!!!
2026/08/04 芽花林檎
コメント
2件
ありがとうございます!
めっちゃエモかった〜!!😭💕 暖樹くんが小鳥を見ながら「自由」って呟くシーン、すごく切なかった…。そして空の描写が綺麗すぎて何度も読み返した! 少女との距離が少しずつ縮まってる感じがたまらんね…✨ 次の話が待ち遠しいです!!