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~5日後 所長室前~
“コン、コン”
何者かが所長室のドアをノックした。所長はこう返す。
「誰だね?来客の予定は無かったはずだが。」
「サイコロです。所長さんと少し話したいことがあって来ました。」
少し間が開き、所長がこう返す。
「そうか。入りなさい。」
サイコロは所長室に入り、こう言った。
「噂には聞いてましたが、所長さんは誰でも部屋に入れるのですね。」
「別に選別する理由がないだろう?私は差別をしない人間だ。」
よくそのようなことが言えると思ったサイコロだったが、気持ちを抑えこう返す。
「レイくんの様子はどうですか?長い間会えてないので気になっています。」
「そうか、私に着いてきなさい。」
所長はこう返し、サイコロを部屋の奥へと案内した。
そこには液体で満たされた透明な装置に入れられ、身体中を器具で繋がれているレイがいた。
レイの前で立ち尽くすサイコロに、所長はこう伝える。
「今、レイは生まれ変わろうとしているのだよ。No.0から、No.0.1へ、とね。」
サイコロはこう返す。
「これはレイくんが望んだことですか?」
「どうだろうな。レイもこの小さくか弱い体にはうんざりしてたのではないかね?知能も上がるのだ。いいことづくめだろう。」
サイコロはため息をつき、こう返した。
「もういい、あなたと話すことは、もう何もない。」
サイコロは懐から銃を取り出した。そして躊躇なく、レイが入れられている装置に発泡した。
装置に穴が空き、中から液体が溢れだす。所長は慌てて装置の元へと駆け寄り、こう叫ぶ。
「装置が!!!一体なんてことをしてくれたんだ!!!」
装置のことで頭がいっぱいの所長の背後で、サイコロがもう一度引き金を引く。
“パァン!!!”と銃声が鳴り響いた。