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※遥が自傷をしない理由



① 「自分を傷つける」という回路そのものが封じられている


遥は、長年にわたり外部からの支配・暴力・侮蔑を受け続けてきました。

その過程で、「痛み=自分の感情を表現する手段」ではなく、「他人によって与えられるもの」として刷り込まれています。


つまり――


「自分に痛みを与える権利すら、自分にはない」

「罰すべき価値があるのは“俺”ではなく、“他者が定めた俺”」




自傷は「自分自身への能動的な選択」であるがゆえに、遥の中には許されない。

彼はすでに、痛みを“選ぶ”ことすら支配されている。


② “壊れる”ことの本質が違う


遥の「壊れ方」は静かで、内側に向かって閉じていくタイプです。

彼は派手に叫んだり、暴れたり、血を流して他人に気づかせるようなタイプではなく、


「壊れていることすら他者に見せないように、“壊される”ことに順応する」




たとえば、授業中に目を見開いたまま動かなくなる。

誰かに話しかけられても、まったく反応しない。

何を見ても笑わず、食べ物も味がしない。

――そうした沈黙による自壊こそ、遥の「自傷」に相当する行為。


③ 誰かに“気づかれたくない”という本能


遥の中には、ほんの微かな「見つかりたくない」という本能があります。

それは「助けを拒絶している」のではなく――


「助けを求めた痕跡さえ利用される」という、過去からの学習。




仮にリスカをすれば、それが誰かに発見される可能性がある。

すると、それをまた“物語”として支配者に利用される(たとえば「演技」「構ってほしいだけ」「メスぶってる」などと嘲笑される)。


遥にとって、助けの痕跡=弱点=攻撃材料なのです。


④ 死にたいわけではないから


遥は決して「死にたい」とは言わない。

彼は、「死なずに生きること」自体が拷問であり、「死ねないこと」によって苦しんでいる。


だからこそ、自傷のような「死に近づく行為」は選ばない。

彼は――


「生きていなければならないという地獄」を生きている。







表現の方向性:遥の“静かな自傷”


授業中、何も書かれていないノートに鉛筆で何十ページも穴をあける


トイレの個室で、手の甲、腕 を深く噛み壊す(でも血は出さない)


呼吸を意図的に止める(失神寸前でやめる)


水を一日飲まずに過ごす(でも誰にも悟らせない)



いずれも、身体的なダメージをともなうが、「他者に発見されない」ことが最優先。


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