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初めてスゴロクというゲームをプレイしたサイコロは、レイにやり方を教わりながら、最初はルールが難しいと感じていたが、次第にルールを理解してレイとゲームを楽しんでいた。
「スゴロクたのしいでしょ!オニイチャン!」
「うん!こんな楽しいゲームをするのは初めてだよ!レイくんありがとね!」
ゲームも終盤に差し掛かった頃、サイコロはレイにこう尋ねた。
「レイくんはこの数日間なにをしてたの?」
レイは少し考えるそぶりを見せ、こう答える。
「レイはね、オトウサンとあそんでたの!たくさんちゅうしゃをうってもらった!」
笑顔でスゴロクを遊んでいたサイコロの表情が固まる。
「えっ、注射を?たくさん?」
「うん!そうだよ!オトウサンにちゅうしゃされるときは、ちょっといたいけど、そのあとたのしいきもちになれるんだよ!オニイチャンもやってもらいなよ!」
レイは薬物の注入を遊びだと思っているようだ。
レイ本人がそう解釈しているのか。それとも所長からの洗脳によるものか。
どちらにせよ、サイコロにとってレイの発言はショッキングなものであった。
「レイくん。確かに僕たちが生きるために注射は必要なものかもしれないけど、もし注射が嫌になったらオトウサンにちゃんと言うんだよ。」
「ちゅうしゃはたのしいものなんだよ?!いやになんてならないよ?」
「そっか。でもね、注射は場合によってはレイくんが危ない目に遭うかもしれないから。大変なことになる前にオトウサンにちゃんと伝えないとね。オニイチャンとの約束だよ。」
「わかったよ。オニイチャンとやくそくだね!」
レイはなんの注射を打たれてるのか。サイコロには知る由もないが、ただレイに無事でいてもらいたい。そう願う他ないサイコロであった。