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#恋愛
ばたっちゅ
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重田💋(omoda)
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#孤独
デュラハン。
ロストウィルム。
二つの国の国境に広がる荒野。
そこでは、既に戦いが始まっていた。
「押せぇぇぇ!!」
「敵を前へ出すな!!」
剣と剣がぶつかる。
槍が盾を叩く。
魔法が飛び交い、地面が次々と抉られていく。
その戦場へ。
新たな軍勢が姿を現した。
銀色の鎧。
統一された装備。
そして、その中央に掲げられた旗。
――王国白銀騎士団。
「白銀騎士団だ!!」
「援軍が来たぞ!!」
味方の兵士たちから声が上がる。
だが。
その先頭にいる人物を見て、一部の兵士がざわついた。
「……団長は?」
「カイル様はどうした?」
答える者はいない。
カイルは、この場にいなかった。
白銀騎士団の指揮を執っているのは。
副団長、リシア・エルフェルト。
「全軍、止まらないで!」
リシアが声を張る。
「第一隊は左翼へ!」
「第三隊は敵の魔法部隊を警戒!」
「第五隊は後方支援!」
次々と指示を飛ばしていく。
騎士たちは迷わない。
リシアの指示に従い、それぞれの持ち場へ散っていく。
その頃。
少し離れた場所。
ユナは小型の魔導端末を操作していた。
空中には、戦場を映した立体映像が浮かんでいる。
「……敵軍、東側から増援を確認」
「数、およそ五百」
ユナは情報をまとめる。
そして通信魔法を繋ぐ。
「こちらユナ」
「王城へ報告します」
『こちら王城。どうぞ』
「現在、戦場はデュラハン側がやや優勢」
「ただし、敵軍東側に増援部隊を確認しました」
『了解』
「続いて、白銀騎士団が戦線へ合流」
「現在、副団長が全軍を指揮しています」
通信を切る。
ユナは再び戦場を見る。
「……まだ何かある」
敵軍の動き。
兵士の配置。
魔法部隊の位置。
補給線。
ユナはそれらを一つずつ確認していく。
「リシア副団長」
通信を繋ぐ。
『何?』
「敵軍の主な行動を索敵します」
『お願い』
「了解」
ユナは端末を操作する。
すると。
上空から小さな機械が飛び出した。
ブゥゥゥン……
小型の魔導ドローン。
戦場上空へ上昇していく。
「高度上昇」
「敵陣を確認」
ドローンから送られてくる映像が端末へ表示される。
敵軍の陣形。
兵站。
馬車。
武器庫。
そして。
「……妙ですね」
ユナが眉をひそめる。
「敵の本隊が、少し後ろに下がっています」
通信を繋ぐ。
「副団長」
『聞いているわ』
「敵軍、本隊が前線から距離を取っています」
「代わりに、中央へ兵を集めている」
リシアが考える。
『……何か仕掛けてくる』
「私もそう思います」
ユナはさらにドローンを前進させる。
「もう少し奥を――」
その瞬間。
映像が乱れた。
『ザー……』
「……?」
ユナが画面を見る。
「通信障害?」
映像が途切れかける。
しかし。
一瞬だけ。
敵陣の奥に巨大な魔法陣が映った。
「……!」
ユナの目が見開かれる。
「副団長!」
『どうしたの!?』
「敵陣奥部に、大規模な魔力反応!」
「まだ詳細は不明です!」
リシアの表情が変わる。
『全隊に警戒を伝えて』
『今すぐ!』
「了解!」
ユナは王城への通信も同時に開く。
「こちらユナ!」
「敵軍後方に大規模魔力反応を確認!」
「詳細は現在解析中!」
『王城、確認しました』
「引き続き監視を続けます!」
通信を切る。
ユナは空を見上げる。
上空では。
何台もの魔導ドローンが戦場を監視していた。
「……何をするつもりなの?」
その頃。
戦場中央。
リシアは剣を抜いた。
「全軍!」
「敵の次の動きに備えて!」
白銀騎士団が一斉に構える。
戦争は。
まだ始まったばかりだった。
砂煙が舞う戦場。
遠くでは、剣戟の音と兵士たちの怒号が響いている。
デュラハン軍の陣地。
その中心に設けられた天幕の中で、王テッードは地図を眺めていた。
そこへ。
「テッード様、報告です」
一人の兵士が天幕へ入ってくる。
テッードは顔を上げる。
「申してみよ」
「はい」
兵士は手にした端末を確認する。
「少し、戦況が変わったようです」
「……というと?」
テッードが地図から目を離す。
兵士は僅かに口元を緩めた。
「あちら側が、メインディッシュを早めに用意していただけたようです」
「……メインディッシュ?」
テッードは一瞬、意味を理解できなかった。
そして。
「ふっ……」
小さく笑う。
「なるほどな」
兵士が続ける。
「白銀騎士団が戦地へ合流しました」
「ほう」
「ただし、団長の姿は確認できません」
テッードの目が細くなる。
「副団長が指揮を執っているようです」
「リシア・エルフェルトか」
「はい」
テッードは地図上の一点を指でなぞる。
「それで?」
「敵軍は各所に索敵用の機械を展開しています。空中からの監視も確認されました」
「ドローンか」
「おそらく」
テッードは特に驚いた様子もなく、地図へ視線を戻した。
「こちらの動きを探っている、と」
「はい。向こうの副団長から、王へ逐次報告も行われているようです」
「……なるほど」
テッードは少しだけ笑った。
「こちらを丸裸にするつもりか」
兵士が尋ねる。
「いかがいたしましょう?」
テッードは立ち上がった。
鎧が僅かに音を立てる。
「そのまま進軍だ」
「……よろしいのですか?」
「ああ」
テッードは天幕の外へ視線を向ける。
砂煙の向こう。
敵軍の旗が見えている。
「向こうがこちらを知ろうとしているのなら」
「こちらも、向こうが何をするのか見届ければいい」
「しかし、敵に動きがあった場合は?」
「報告しろ」
テッードは馬へ向かって歩き出す。
「何かしら動きがあれば、その都度報告を」
そして。
馬へ跨る。
「以上だ」
兵士は敬礼する。
「はっ!」
テッードは手綱を握った。
「さて……」
口元に笑みが浮かぶ。
「ようやく、面白くなってきたではないか」
デュラハン軍。
再び。
前進を開始する。
砂煙が戦場を覆っていった。
コメント
1件
うわ、めっちゃ戦場の空気感が伝わってきた……第41話「準備運動」ってタイトルだけど、もう全然準備運動の域超えてる(笑) 特にユナちゃんのドローンを使った索敵シーンが好みだな。“魔導ドローン”って発想、世界観とテクノロジーの融合がうまくて、設定好きとしてはニヤリとしちゃう。あと敵陣奥に一瞬だけ映った巨大な魔法陣……これは明らかに後で炸裂する伏線だよね。 テッード王の「メインディッシュを早めに用意していただけた」って台詞、不気味すぎてゾクゾクした。この人の余裕、何か裏があるんだろうな……次が気になる!