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あれは、雪の降る二月の話。
暖かくなりだしても
おかしくないこの時期に、
珍しく多めに雪が積もって、
彼は朝から眠たそうに元気だった。
茈「おに~ちゃんっ、ゆきだるましたい!」
翠「えぇ〜…お兄ちゃん寒いのやだなぁ、」
茈「ふぇ”、…ッ ( 涙目」
翠「ごめんごめんっ!?雪だるま作ろ!!」
二人きりで
過ごしているにしては、
ある程度しっかり暮らせていた。
平日と土曜の朝は新聞配達で
夜は居酒屋のバイト、
日曜日はオフにして彼と遊ぶ日にしていた。
いつも食事ぐらいしか会話しないから、
毎週この日をたのしみにしてる。
だからと言って元気に遊べるかと
言われたらそうでもなく、
できるなら一日中 寝ていたい
ほどには疲労が溜まっている一日だ。
しかし彼の微笑みを見ると
元気になれてしまう。
なんでなんだろう。
茈「ぅあっ…、!つめたぃ、!」
翠「冷たいねぇ、…ふぁぁ、”」
茈「むぅ、”……」
何に拗ねたのか分からないが、
彼は頬を膨らませて
こちらを可愛らしく睨みつける。
なにか悪いことでもしただろうか。
とりあえず元気に遊んでやろう。
茈「あっ、おに~ちゃ、んおはよっ!」
翠「…えっ、いるまちゃん?」
翠「まだ四時だよ?どうしたの?」
茈「おに〜、ちゃんにね、」
茈「ごめんなさぃ…するの、」
翠「ぇ、何を?」
茈「おに〜ちゃんの、やすみ、」
茈「だいなしで…ごめんね、」
翠「、!」
朝早くて眠いだろうに、
真っ直ぐな瞳で
こちらを 捉えて、
休みを台無しに
してごめんねと言った。
あぁ、
なんて健気なんだ。
翠「お兄ちゃん楽しかったよ。」
翠「ありがとう、… ( 撫」
茈「んぅ、いぃのぉ…?」
翠「うん。いいよ。」
翠「ごめんね、お仕事行ってくるね。」
茈「いてら、しゃぃ… ( にへ」
舌足らずな言葉で、
見送ってくれる彼。
可愛い。
これからも大事に
守ってあげないとな。
翠「いるまちゃーん、」
百「あれ、お隣の…」
翠「…?らんくん、」
翠「いるまちゃんは?」
百「帰りましたよ。」
翠「そっ、か…ありがと!」
午前授業だったから、
小学校に
顔出してみたけど、
もう帰っちゃったか…
黄「らんらん!」
百「あ、兄さん。」
百「じゃぁまた、」
翠「うん、ありがと。」
家帰ってからも
時間ならある。
ちょっとだけ
話したいな。
翠「いるまちゃんっ、!」
茈「わぁっ!?おに〜ちゃん…!?」
茈「おしごとは、?」
翠「ちがうよ、学校終わったの。」
翠「ん〜、あったかい。 ( 抱締」
茈「じゃぁ、いっしょ?」
翠「ちょっとだけ。」
“やった。”
そう声に出して
喜ぶ彼は、
太陽のように
綺麗で明るかった。
超可愛い。
翠「ぁ、ごめんね。」
翠「もう仕事の時間だ。」
茈「ううん、だいじょぶ!」
茈「いってら、しゃいっ!」
翠「いってきます、!」
いつものいるまちゃんを
俺は知らないけど、
きっと元気に
してるんだろう。
安心というより、
慢心。
赫「…お、すち。」
赫「二人でお出かけか?」
翠「おはようございます、なつさん。」
茈「けーきやさんっ、!」
赫「ケーキ食べんのか、!」
赫「誕生日とかか、?」
翠「ゃ、…えっと、」
翠「父と母の、…命日でして、」
赫「あぁ、ごめんな。」
この人は
お隣のなつさん。
四人家族の母らしい。
男で母?
おかしいよね、
俺も最初は
そう思ったもん。
話を聞くと、
なつさんと 旦那さんは
同性愛者で、
籍を入れずに 結婚し、
その後孤児だった
兄弟を迎えたらしい。
百「赫さん、早く。」
赫「あぁ、ごめん。」
百「…!いるま、」
百「どっか行くの、?」
茈「えとねっ、」
茈「けーきたべる、の!」
百「そっか、楽しんで。」
彼がその
兄弟の弟、
らんくん。
いるまちゃんと
仲が良い。
で、
さっきも言ったけど、
今日は俺達の
父さんと母さんの命日。
一月二十一日。
いるまちゃんには
内緒だから、
あれやこれやと
誤魔化して、
毎年ケーキを食べている。
茈「んぅっ、おいひ、!」
翠「ふふ、そうだね。」
茈「ままとぱぱも、」
茈「たべたらい、のにっ!」
翠「ッ…そうだね。」
いるまちゃんは
喋りが舌足らずで、
いつも途切れ途切れ。
四年生にもなって
これだから、
そろそろ、
医者に見せても
いいのかと思う。
翠「食べたら公園行こっか。」
茈「、!うん!」
To Be Continued ✎*