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「 歪みのカタチ 。 」
────────────────────
───歪者。
それは、” 壊れた人間の成れの果て “ だ。
だが最近、それはただの破壊ではなくなってきている
「……来る」
自分でも分かるくらい、低い声が出た
空気が重くなる
『……』
〈…シキ…?〉
街の外れ
そこに “何か” が集まっていた。
歪者。
だが、数が多すぎる。
そして─── 動きが揃っている
〈…群れ…?〉
レンが呟く
『珍しいね、それ。』
「……ああ、そうだ…」
【 ごめん……おれの、おれのせいで…!! 】
【 なんで俺は…またお前を…!】
「……っ…」
過去の声… なぜ今出たんだ…
俺の 過去の声 という能力は、戦う相手にだけ出る。
もしくは、俺が 救けたい と思った時だけ。
Laiaはいつも通り、軽い声だった。
レンは周りを見渡していた。
ならば…誰なんだ?
『…でもまあ、全部消せば同じでしょ』
その言葉に、俺は一瞬だけ目を細めた
「……下がれ」
言う前に、歪者は動き出す
速い。
多い。
闘いは一瞬で崩れた
────だが、
『…邪魔。』
Laiaが一歩前へ出る
次の瞬間、
そこにあった歪者は “ 消えていた ” 。
音も、痕跡もない。
ただ、空白。
「……やりすぎだ。」
俺は、Laiaに一声掛けた
『…え?』
Laiaは首を傾げる
『まだ生きてたら面倒じゃん笑』
〈……〉
「……」
レンが、黙っている。
その目が、揺れている。
戦場の奥。
他と違う
崩れ方が浅い。
〈あれは……〉
レンが1歩踏み出す
『レン、待って』
Laiaの声。
だが、止まらない。
〈俺が…やる…。〉
来世はくらげ
#ダークファンタジー
その瞬間だった
レンの足が止まる。
歪者と目が合う
───揺れる。
そこには、”人だったカタチ”が残っていた。
〈……これ…〉
レンの声が震える
〈……俺と、同じだ…〉
その言葉の直後、歪者は消えた。
一瞬で。
Laiaがそこで立っていた
『…あ、ごめん。
まだ動いているとは思わなかった』
レンは、何も言えなかった。
俺も同じく、動けなかった。
勝ったはずの場所に、
” 説明できないズレ “ だけが残る。
俺は、そこで初めて口を開いた
「……Laia。」
自分でもビックリするほど、低い声だった
「今のは違う。」
『…違うって、何?』
Laiaの声は、軽いままだった
「…それは判断じゃない。処理だ。」
一歩、前へ出る
「お前は、”救う側”ではなくなってる。」
その言葉に、Laiaは一瞬だけ黙った
『……それ、悪いこと?』
俺は答えない。
…いや、答えられなかった。
「悪いかどうかじゃない。
お前はもう、”見てない”。」
レンが息を呑む
Laiaは、少しだけ目を細めた
『…じゃあ、どうすればいい。』
その問いに、
俺は静かに言った。
「……一度、止まれ。」
それだけだった
Laiaは何も言わず、レンはまだ震えていた。
俺は思った。
────この “歪み” は、敵じゃない。
もっと厄介なものだ。
正しさに見える、歪み だ。
【ごめんなさ… 許して、守れなかった僕が悪いから…!!】
【やめて、ごめんなさい…】
「……っ…うっ…」
過去の声は、闘う相手にだけ出る。
もしくは、俺が救いたい と思った相手にだけ。
……そしてその声は、
その人によって、強さが違う。
頭がジンジンと痛い
こんなに強い過去の声は…初めてだ。