元引きこもり侯爵子息のダークサイド物語

10年以上の空白期間を得て、ジョー・アルヴィアンが表舞台に正式に戻ってきた。ジョー・アルヴィアンの行動に多くの貴族や王族が関心を持つことを理解している。クインが王都の改革路線をとる雑誌にジョー・アルヴィアンの本格的復帰についての素晴らしい記事を書き、保守的な新聞もそれに反発する記事を書いていた。だからこそアルヴィアンの繁栄を示しつつ、アルヴィアンの知性や無害さを示すような服を選んだ。

ジョー・アルヴィアン侯爵代理は実質的な侯爵であり、正式な会合への入場に際して頭を下げていないのは公爵と王族のみだ。今のところ公爵家からは3人、王族からはカルム王子を含めて3人が確認できる。まずは王族たちに話しに行くべきだろう。

「ジョー・アルヴィアンか？」

高潔さを示すような透き通った青い瞳と少し色素が弱い茶色の髪、そして背の高さに社交的な振る舞いが目を惹くのがフェリクス王太子だ。次期国王争いにおける本命で、多くの貴族は彼が国王になると予測している。

「その通りです、フェリクス王太子。お久しぶりですね。公的にお会いしたのはおそらくアルヴィアン夫妻の葬儀以来でしょうか？今後も王国の繁栄をジョー・アルヴィアン侯爵代理は願っています。」