TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

カズヤは醜い人間が嫌いだと言っていた。カズヤは人間の心を癒すことができる、感情を持つロボットを世界に放つことによって、人間の醜い所を取り除こうとしていた。

しかし結局は人間の生活が少し良くなるだけで、醜さは変えることができなかった。自分の都合の悪い存在や、自分より下の存在を妨げる人間の習性の対象の「一部」が、ロボットに変わっただけであった。それをカズヤが嘆いていたことは間違いないだろう。ともかく世界に広まった噂は瞬く間にカズヤを悪者にした。

噂が広まり始めたころからカズヤは行方を眩まし、俺達家族とも連絡が取れなくなってしまった。しかし俺は今もカズヤはテロには無関係だと信じている。自分の息子が悪者だと思いたくはないだけかもしれないが、そもそも噂の広まり方が異常だったのだ。

各国のメディアは毎時カズヤがテロに関わった犯罪者だと報じ、政治家や影響力を持つ人間もカズヤを非難し始めた。きっと世界のお偉いさんからの圧力があったに違いない。彼らにとって影響力の強すぎるカズヤは邪魔な存在だったはず。

俺が一連のことを「噂」と言っているのには理由がある。証拠がないのだ。カズヤがやったという証拠が。それなのに世間はカズヤを悪者にした。俺はもう家族以外誰も信じられなくなった。世間を恨みながら死ぬだろう。

最近嫁の病気の進行が早くなっている。とても辛そうだ。もう、長くないのかもしれない。もっとも俺もいつ逝ってしまうかわからない。だからこうして俺の知っていることと思いを記しておく。そしてもしカズヤがこの日記を見つけた時のために綴っておく。

 

カズヤ、誕生日おめでとう。俺とお母さんは死ぬまでお前のことを愛している。


カズヤに会いたい。,,


シェルター 〜A Journey of Weaving Emotions〜

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

50

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚