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テレビから砂嵐が鳴り始めた。イシダさんからの通信だ。
「イシダさん。こんにちは。」
「―あぁ。久しぶりだな。元気だったか?―」
なんか今日のイシダさんは元気がない。疲れているのかな?
「大丈夫ですか?いつもより声に元気がないように聞こえるのですが。」
「―少し嫁の具合が悪くなっていてね。看病疲れってやつさ。―」
「それは大変ですね。少しでも良くなればいいですが。」
「―もうあまり長くないかもしれない…―」
「そんなこと言っちゃ駄目ですよ。看病が大変なのは分かりますけど。」
「―そうだな。すまなかった。―」
イシダさん、大変そうだな。でも奥さんのことは仕方ない。ロボットでない限りいつか終わりは来るのだから。
「―君は調子はどうなんだ?―」
「なんともない。と言いたい所なんですけどね…」
「―ん?どうしたんだ?―」
「イシダさんがなぜこんなにも熱心に僕に通信をしているか分かったんです。」
「―え?…―」
お互いに沈黙が続いた。しばらくしてイシダさんが口を開いた。
「―そうか。とうとう…やっと気づいたんだな。―」
「はい。僕に内蔵されていたカズヤさんからあなたに向けたデータを見つけました。中身はロックがかかっていて見れませんでしたが。」
「―そうか。やはりあったんだな。そのデータは俺じゃないと開けれないようになっているはずだよ。―」
「イシダさんの指紋が必要なみたいですね。」