理紗子を強く抱き締めた健吾は今度は本気のキスを始めた。
それは先程のキスとは全く違っていた。
貪るように動く健吾の唇からは何か強い意志のようなものを感じられる。
理紗子を自分のものにしたいという願望。理紗子を味わい尽くしたいという欲望。その欲望がひしひしと伝わってくる。
理紗子が油断して少し口を開けた瞬間健吾の舌が侵入してくる。そして理紗子の口内を探るように動き回る。
焦らすようなその動きは理紗子が今まで感じた事がないとても官能的なものだった。
(変になりそう……)
理紗子は健吾のテクニックにすっかり溺れていた。
そして健吾の唇は徐々に理紗子の耳の裏、耳の中、首筋、喉元、そして肩へと移っていく。
今まで理紗子はまさか外で、それも立ったままこんな事はなかったのでドキドキしていた。
しかし勢いはそれだけでは収まらなかった。
健吾はワンピースのオフショルダーの部分を徐々に押し下げる。繊細なレースの生地はかろうじて胸のふくらみの上で止まった。
理紗子の美しい胸元が露わになると健吾は胸の谷間のギリギリまでを唇で攻める。そして時には理紗子の脇にも舌を這わせた。
このままだとここでワンピースを全部脱がされそうな勢いだ。
理紗子はたまらず声を漏らす。
「あ…んっっ」
あまりにも色っぽい声を聞いた健吾はたまらないといった表情で理紗子の耳元に囁いた。
「俺のマンションに行くか?」
「____ん」
一度身体に火照った情熱は決して消えない。
健吾はワンピ―スの乱れを直すと理紗子の腰をしっかりと支えながら真っ直ぐに玄関へ向かった。
樋口夫妻のマンションを出た二人はすぐにタクシーを捕まえて健吾のマンションへ向かう。
タクシーの中では健吾の左手が理紗子の腿を撫で回す。そして反対の手は理紗子の手をしっかりと握っていた。
理紗子は健吾の艶めかしい手の動きにじっと耐えながら何とか平静を装う。
その時理紗子の脳裏に石垣島で健吾が言っていた言葉が思い浮かんだ。
『いや、映画みたいな世界はあるって! 実際にあるんだよ』
やがてタクシーはマンションに到着した。
二人は手をつないだままエントランスを抜けるとコンシェルジュのいるロビーを抜けた。
ちょうど止まっていたエレベーターに乗り込んだ瞬間健吾が壁に理紗子を押し付けキスの雨を降らせる。
エレベーターが音を鳴らしドアが開くと二人は手を繋いで健吾の部屋へ向かった。
玄関を入った途端健吾は理紗子の唇を奪う。キスをしたまま器用に理紗子のワンピースを脱がせる。
今度は自分のシャツのボタンを外すと黒シャツを勢いよく脱ぎ捨てた。
そこで健吾は理紗子をギュッと抱き締めたが二人の間を邪魔するブラジャーを健吾はあっさりと剥ぎ取った。
そして再び理紗子を抱き締める。
互いの素肌の感触を直に感じ取ると二人の思いは一層燃え上がる。
理紗子の手のひらに当たる健吾の胸板はとても逞しく、健吾の胸に当たる理紗子の乳房はとても柔らかだ。
理紗子はキスをされながら手のひらで健吾の胸にゆっくりと手を這わせる。すると一瞬ピクッと健吾が反応した。
その刺激が引き金となり健吾にスイッチが入る。次の瞬間健吾は理紗子を抱き上げ寝室へ向かった。
今までにお姫様抱っこを一度もされた経験のない理紗子は感動に打ち震える。
(まるで映画のワンシーンのよう)
理紗子は思わずうっとりする。
健吾はもう一度理紗子にキスをしてから寝室のドアを開けて中へ入って行った。
コメント
3件
理紗子ちゃんは、これから健吾さんに 映画みたいにロマンティックに愛されちゃうのかな....💏✨ドキドキ♡ コメント隊も、静かに二人を見守りたいと思います✨
理紗子ちゃんが以前に言った、セ。◯スはロマンチックじゃない。小説や映画の中だけと言い放ったのに対して、否定し実際にあると言った健吾。 静かに…見守りたいと思います☽︎︎.*·̩͙𓂃
バルコニーの角でこんなに濃密で熱いキスをされちゃったらもう止まらないよね〜⚠️⚠️ 早くお家に帰って『まさにこれから映画のような世界が広がるよ〜』理沙ちゃん✨✨💝 健吾の中ではもう偽装でもなんでもない‼️って気持ちで熱く燃えたぎった理沙ちゃんへの思いをぶつけて愛し合ってるんだけどー、理沙ちゃんはまだそこに気づいてないよね⁉️😫💦💦 愛し合う時はちゃんと言葉にして伝えないと理沙ちゃんは困惑の一途だよー🫨⁉️