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「ようこそ。イヴィル様。A級ダンジョン破滅の洞穴へ」
茶髪の一人の屈強な男が話かける。
アリスの暮らす、キングストン領にあるA級ダンジョンに足を運んだ。
到着時、アリスはすごく歓迎してくれた。
先日の魔法石の取引の縁もあってか、ご両親……現キングストン侯爵家当主も俺のことをもとなすと言ってくれたが丁重にお断りをした。
今回はもてなされることが目的ではないからだ。
ただ、アリスが俺を見る目が少しゾッとする……さすがに考えすぎか。
ちなみに、アリスを闇落ちさせる原因を作ったサバトはもうこの世から退場してもらっている。
是非ともアリスにはこれからの未来、勝手に幸せに暮らして頂きたい。
そんな未来くらい、あっても許されるはずだろう。
「たしかに俺はイヴィル・ヴィルサレルだが……貴殿がモリア・ハンナイトで間違いないかな?」
茶髪の屈強な男は仰々しくお辞儀をする。
「間違いありません。私が今回、イヴィル様、アンナ様の護衛をさせて頂くモリア・ハンナイトと申します。冒険者としてはA級の戦士をさせていただいてます。ヴィルサレムの旦那にはいつも世話になっております故」
「そうか。頼りにさせてもらおう」
たしかにA級の冒険者であれば腕が立つだろう。
この世界の常識を学ぶにあたり、冒険者のことも調べたがA級というのは王国内でも50人にも満たない実力者らしい。
実際にその実力を見ているわけではないが、短い期間で実力を認められた人間を容易できたのは、これが公爵家のネットワークかと感心している。
そんなキングストン侯爵の協力の元、この1週間の間はA級ダンジョンである破滅の洞穴には俺達以外の立ち入りを禁止してもらっている。
とはいえ、A級ダンジョンは現地の中でも危険のため、破滅の洞穴への立ち入りを申請する者は少ないらしい。なのでその点においては楽だったらしい。
ちなみに今回はアンナも同伴させている。
今回は建前とはいえモリアが護衛につく。彼にも彼の時間があるのだ。
モリアには暇を持て余してしまことになるだろうから、アンナにはモリアを丁重にもてなすように言っている。
多少の気遣いで人間関係は円滑になる。
コンサル時代に俺が身に染みたことの一つである。
「それとお父様から聞いているとは思うが、今回俺がこのダンジョンにいたことは他言無用だ。今回、このダンジョンに俺はいない」
「承知しております。それで今回は私はイヴィル様の護衛と伺いましたが、どちらに行かれる予定でしょうか?」
「ん? あぁ……特に考えていない。まずは、そこらへんの敵を倒しまくるつもりでな」
「いやいや、まさか御冗談を」
「試してみるか?」
そう言って、俺は指を鳴らす。
俺が無詠唱で放った闇魔法がモンスターを焼く。
『GYAAAAAAA!!!』
その瞬間後、モンスターの断末魔が洞穴に響く。
「え? ……こ、これは!?」
モリアは振り向き、俺が闇魔法で屍《しかばね》にモンスターを見て驚愕する。
「アモックバットではないですか! 破滅の洞穴の中でも……かなり対処の難しいモンスターですぞ! それを簡単に? しかもあの闇魔法で……? イヴィル様は一体……」
モリアは俺に対して驚いた目で見る。
「大して驚くことではあるまい」
これで一々気にされると気が散る。
ただ、なるほどな。モリアの反応から改めて世間が抱いている闇魔法へのイメージが分かった。
分かったからと言って、俺自身が変わることはないけれど。
「それにしてもアモックバットか……」
月と魔法は踊るでは、やたらと大量に出てくるモンスター。
つまりこれから、たくさん湧いてくるということだ。
手始めにシューティングゲームと洒落こもう。
『『『GYAAAAAAA!!!』』』
アモックバットが大量に押し寄せる。
「ようこそおいでなすった」
俺は再び指を鳴らして、大量に紫色の魔法陣を展開する。
ただ闇雲に魔法陣を展開するわけではない。
アモックバットの数に合わせて、その数と同じだけ紫色の魔法陣を展開した。
これを繰り返すことで、魔法の質を上げることができる。
1匹1匹、的確に急所を射抜く。その繰り返し。
ただ待っているだけでは、暇である。
だから俺は闇魔法を展開しながら破滅の洞穴の先に進む。
時折、武具の素材になる鎧竜や、高ランクダンジョンでお馴染みのオーガなど出てきたが、アモックバットと変わることなく1匹1匹を的確に急所を射抜いて倒していく。
一見すると終わりのないように見えるが……、
「白紙の書の試練ほどではないな」
そこに命の危機はない。
白紙の書は冗談抜きで死を覚悟していたが、破滅の洞穴のその脅威度はない。
そりゃあエンドコンテンツとただのダンジョンを比べる方がどうかと思う。
ただ、そのうち面倒になってきて、俺が感知できる敵は全て根絶やしにすることにした。いくらなんでも暇すぎるのだ。
なんてことを思っていたら、
『GUOOOOOOO!!』
「あぁ……ボスのお出ましか」
3メートルほどの金属できたゴーレムが姿を現す。
どうやらボス部屋に来ていたみたいだ。
良かった。ちょうど退屈してたんだ。
「あれは……まさかマッシブゴーレム!」
モリアは鬼気迫ったように叫ぶ。
「イヴィル様!! さすがにそのモンスターは危険すぎます!! 私がしんがりを務めるので、どうか撤退を!!」
「いや、いらん」
俺はモリアの提案を丁重にお断りし、俺は再び大量の魔法陣を展開する。
せっかくだし試してみるか。
『死神の鎌』
俺は闇の魔法陣の質を圧縮して鋭くする。
魔法一つ一つを原子のように固めて、2メートルほどの巨大な紫の鎌を練り上げる。
俺は右手をかざして、死神の鎌を両手に持つ。
そのまま、自分の足元に魔法陣を展開して、マッシブゴーレムの元に急接近する。
「ほら、もう寝てな」
俺はマッシブゴーレムに死神の鎌を振り下ろす。
そのまま、プリンを切るように滑らかにマッシブゴーレムを斬り伏せた。
「なんてことだ……本当に倒してしまうとは……」
モリアは感嘆の声を漏らす。
「イヴィル様。おめでとうございます。まさかボスであるマッシブゴーレムを倒してしまうとは……。まさしく偉業でございます。このモリア感動しました!」
「そうか」
俺が興味なさげに答えると、
「本当ですぞ! それにダンジョンのボスを倒すということは、しばらくキングストン領にいる周辺のモンスターが沈静化するのです! これは本当に喜ばしいこと! 領主様やアリス様が聞いたらさぞお喜びになりますぞ!」
いや、勝手に喜べば良いだろう。
それとウチのアンナは『私には分かってましたけどね」みたいな顔でいるけれど、これ程度は俺の敵ではない。
「あとはマッシブゴーレムの素材を手に入れたら終わりですな!」
モリアは嬉しそうに言うが、
「くくく……本当にそうかな?」
確かにモリアの言う通り、本来であればボスを倒した報酬を貰うだけ。
しかし、俺はこの世界である『月と魔法は踊る」をやり込んだ男だぞ。
『おめでとうございます。貴方は『破滅の洞穴』の隠しアチーブメントを達成しました』
そう青いウインドウが俺の目の前に現れる。
ほら、ゲーム通りの流れだ。
それにしても青いウインドウを見るのは白紙の書以来だな。
俺がそんなことを思っていると、ダンジョン全体が大きく揺れる。
「なんだ……! ま、まさか変質ダンジョン化!?」
モリアは動揺している。
さて、A級ダンジョンである破滅の洞穴には隠し要素がある。
ダメージを負うことなく、敵を1000体倒すとダンジョンは変質し、隠しダンジョンへと変貌する。
これが俺のもう一つの目的。
『今より隠しミッションを始めます。健闘を祈ります』
そんな言葉を言い残して、青いウインドウは俺の前から消えた。
「さて……本番はこれからだな」
俺は悪役らしく、ニヤリと口角を上げるのであった。