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「さて……本番はこれからだな」
ここはA級ダンジョンである破滅の洞穴だったもの。
破滅の洞穴であることは変わりないが、俺はダメージを負うことなく、敵を1000体倒した結果、隠しミッションが現れて、 ダンジョンの内容が変質した。
俺はここで取れる報酬が俺が求めているものである。
その報酬とは『殲滅の杖』。
本来であればラスボスを楽に倒すためのアイテムだが、今後の保険として俺が先に取っておきたかった。
高難度ではあることには変わりないが、エンドコンテンツをクリアしている俺の敵ではない。
「イヴィル様……変質ダンジョン化しました。このダンジョンはただでさえA級…脅威度は少なくともA級上位からS級までになっているかと、今はどうか撤退を」
モリアは俺に進言する。
まぁ、護衛としている以上は正しいな。
だが……、
「モリア。今の俺はこのダンジョンにいない。故にこのダンジョンが変質してても関係ない。どけ」
正しくは書類上、俺はこのダンジョンにいないことになっている……なのだが、それは些細なこと。
「なりません!! どうか何卒ご撤退を!」
「はぁ……二度は言わんぞ」
俺は魔力を解放する。
「……くはっ!」
すると、モリアは苦しそうに呻いた。
威圧をするならこれくらいでいいだろう。
「あぁ、帰りたければ好きに帰ってくれて構わんぞ。俺は一向に気にしない」
「い、いえ、同行させて頂きます。それが私の役目ですので」
「好きにしろ」
俺とモリアとメイドのアンナの三人は隠しミッションで変質化をした破滅の洞穴を進む。
変わらずモリアはついてくる。さすがは実力者といったところか。
進み続けた先にモンスターが現れる。
ちょっと見慣れた鬼のような躯体をしたモンスター。
『GUOOOOOO!!!!』
「なっ……! あれはオーガ……? 本来ならC級ダンジョンのボスですぞ……?」
「そうなのか?」
「えぇ……普通の冒険者であれば手強い相手です」
「まるで自分は普通じゃないと言いたげだな」
「これでも実績がありますので」
モリアは自信ありげに言う。
それはそうと、俺自身も白紙の書の試練で見慣れたせいか感覚が麻痺しているようだ。
この世界でオーガは腐ってもダンジョンのボスらしい。
いや、たしかに……月と魔法で踊るをプレイしている際に序盤のダンジョンにいたボスではあったか。
つまるところ、ここにいるモンスターは少なくともC級ボス相当。
正直、俺だったら瞬殺できるだろう。
ただ、それでは面白くない。
「ふむ。それではその実績とやら、行動で示してみろ」
俺がモリアにそう言うと、
「お任せ下さい。正直、今の今まで暇だったのです」
モリアは芝居がかった感じで言う。
なんでもいいけれど、折角であればこの世界の剣術とやらを見てみたい。
モリアはゆっくりと剣を抜く。
一本の銀色の長剣。
素人目ではあるが、手入れの行き届いた綺麗な剣だと感じた。
うむ。道具を大事にする者であれば信頼できるな。
これはあくまで俺の経験ではあるけれど。
「それでは参ります」
モリアは銀の長剣を構える。
『GUOOOOOO!!!』
オーガはモリアに対して右腕で殴りかかる。
それに対して、モリアは銀の長剣でいなす。
いなしたまま踊るように自身の位置を左にずらして、
オーガのわき腹へ一閃。
『GUOOOOOO!!!』
出血を与えるが、オーガは痛みに怒る。
怒りにより、さらに狂暴的な攻撃になるもモリアはいなしながら攻撃を当てていく。
「そろそろ終わりにしようではないか」
#オリジナルストーリー
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モリアはオーガの右腕の攻撃を利用して回転する。
回転の勢いのままオーガの銀の長剣がオーガの首元に喰らいつく。
『————!』
そのまま銀の長剣はオーガの首を飛ばし、モリアの長剣はオーガの血で紅に染まる。
「ふっ……見事じゃないか」
俺は素直に賞賛を送る。
さすがA級冒険者というだけあるな。
「お褒めに預かり光栄です」
モリアは仰々しくお辞儀をする。
このダンジョンにあるお目当てのものを手に入れたら、モリアに剣を習うのも面白いかもしれない。
そんなことを思っていると、
『『『GUOOOOOO!!!』』』
オーガの咆哮が地響きのように響く。
モリアが倒したオーガの血につられて、大群と化したオーガが現れる。
「くそっ……! まるで大きくなったゴブリンだな!」
モリアが悪態を吐く。
「イヴィル様……やはり撤退下さい。私がしんがりを務めます」
モリアは覚悟を決めた目で俺に提案をする。
「別にしんがりを務めることではない」
俺は気にせず、大量の魔法陣を展開する。
「なっ……! この魔法は一体……!」
俺は指を鳴らして、闇魔法をオーガにぶちかます。
俺の目の前にいる全てのオーガは1撃で倒す。
結果としてオーガを1匹残らず駆逐する結果となった。
「はぁ……所詮は大きくなったゴブリンか」
手応えがない。
なんなら白紙の書で出てきたオーガよりもよっぽど弱い。
その証拠に俺の闇魔法を受けたオーガは、1匹の例外なく水風船が破裂したような姿でダンジョンの染みに成り果てた。
「ははは……俺は夢でも見ているのか?」
「だとしたら、相当に良い夢ではないか」
「はっ、はは……」
モリアは引き攣った笑みを浮かべ続けている。
いやいや、そこあ笑うところだぞ。
まさか……俺のユーモアあふれるジョークが伝わらなかった訳ではあるまいな?
「ごほんっ……! とりあえず先に進むぞ」
分からないやつには分からないのだ。
それはもはや仕方あるまい。
ひとまず、俺は出てきた敵を一匹残らず全て倒す。
その結果、ダンジョンの道中はモンスターの屍は絨毯となり、壁面は全てモンスターの血で彩られることになった。
そんな調子で10分ほど歩くと、大きく開けた空間に出る。
「ふむ……どうやら、ここが最奥らしいな」
目の前には赤いドラゴンがいる。
赤いドラゴンは俺達三人を見つけると、
『GUOOOOO!!!』
とクソうるさい咆哮をあげる。
すると、俺の目の前に青いウインドウが現れる。
『隠しミッションの最終クエストです。ダンジョンボス――レッドドラゴンを討伐してください』
つまり、こいつがボスという認識で合っているようだ。
「ま、まさか……あれはドラゴン……? おとぎ話でしか聞いたことしかないが……まさか本当に実在したのか……?」
モリアが歯をガチガチとさせながら言う。
そうなのか。月と魔法で踊るではおとぎ話までは出てこなかったから、そこまで把握している訳ではないが、たしかに大して現地人であればドラゴンが頻繁に飛んでいるのは恐怖でしかないよな。
「まぁ、それはそれとして……お前は退屈させてくれるなよ?」
俺はニヤリと悪役らしく口角をあげると、
「イヴィル様。引き返しましょう。これは私達の手には負えません。何卒、撤退を」
モリアがそう進言してきた。
俺はモリアの進言に対して深いため息をつく。
「はぁ……アンナ。俺が戦っている間、お前はモリアをもてなせ。そこでティーパーティでもしてろ」
「承知致しました!」
アンナはテキパキと折り畳みの机と椅子を展開し、炎属性の魔法でお湯を沸かす。
「イヴィル様!!」
「いいか。モリア……今、そこで膝を恐怖で震わせている以上、お前じゃ何もできない。だから帰るか、俺の戦いを見ているか好きにしろ。なに……戦いを見る分には特等席で見れる。お前は運が良い。だから――邪魔してくれるなよ?」
俺はそう言って、レッドドラゴンとの距離を詰める。
『GURUUUUU』
レッドドラゴンは『人間ごとき何の用だ?』と言わんばかりの侮蔑の視線を送る。
普段ならば苛立ちを感じていただろうが、今はそんなことはでどうでもいい。
「まさかお前は退屈させてくれないよな?」
俺はレッドドラゴンに向けて不敵な笑みを浮かべる。
レッドドラゴンは俺の表情が気に食わなかったのか、
『GUOOOOO!!!』
と、咆哮をあげた後に大きくを息を吸って火球を吐く。
火球は遠くからでも感じる熱さと死へのプレッシャーを纏って俺に向かう。
「ダークパリィ」
対して俺は、レッドドラゴンが放った火球を無効化する。
『!?』
レッドドラゴンは信じられないといった様子。
「お返しだ」
俺は指を鳴らして、紫色の魔法陣を大量に展開する。
そのまま、レッドドラゴンに向けて大量に射出した。
『GUOOOOO!!!』
レッドドラゴンは俺の闇属性の魔法を受けて地に堕ちる。
レッドドラゴンは先ほどの侮蔑な表情から一転して、憤怒している。
「まさか……これで終わりではないよな?」
俺がそう言うと、レッドドラゴンは大きく息を吸う。
その後、レッドドラゴンは先ほどよりも大きな火球を吐く。
「ダークパリィ」
俺は再びレッドドラゴンの火球を弾く。
「はぁ……残念だよ」
俺は再び紫色の魔法陣を大量に展開する。
『死神の鎌』
そのまま魔力を一点に集中して紫色の鎌を作りだす。
両足に魔法を展開させて、レッドドラゴンに接敵する。
そのまま回転運動を用いて、レッドドラゴンの首元に死神の鎌を突き立てる。
「それでは……いい夢を」
そのまま俺はレッドドラゴンの首を刈り取る。
レッドドラゴンの首は一度、宙に舞った後に地面に落下した。
「す、すごすぎる。ははは……、まさか俺は夢を見ているのか……?」
モリアはそんなことを言うが、残念ながらここは現実だ。
なんてことを思っていると俺の目の前に青いウインドウが現れる。
『おめでとうございます。レッドドラゴンを討伐を確認しました。討伐報酬『破滅の杖』を授与致します』
レッドドラゴンの頭部から一本の杖が現れては地面に落ちる。
俺は地面に落ちた一本の杖を拾う。
「くっくっく……こうも上手くいくとはな」
笑みが抑えきれない。
この杖が俺が求めていた『破滅の杖』だ。
あぁ、すこぶる機嫌がいい。
何故なら『破滅の杖』を手に入れるということは、
それだけ月と魔法に踊るの主人公が将来獲得できる戦力を減らせる。
すなわち、俺が無様な死を遂げずに済む可能性があがるということだ。
この事実が俺にとっては嬉しくて堪らない。
この際、レッドドラゴンに対して失望していたことは目をつぶっておこう。
「おい、目的のモノは手に入ったからここから出るぞ」
「かしこまりました!」
アンナは嬉しそうに俺の元に近寄る。
いつの間にか片付けは済んでいた。
「くっくっく……それでは行こうではないか」
こうして俺とアンナとモリアの三人はダンジョンの出口に向かう。
道中、俺は一人にやにやしながら帰還するのであった。