お化け屋敷としてのクオリティが高いのか、呼び込みが上手いのか、舵を取る堤の交友関係が広いのか。
とにもかくにも、当ゼミの出し物は盛況だ。
お蔭で当番の入れ替えも難しい程に、客が途切れない。
予定より大幅に時間を押して、俺はようやく解放された。
「肩凝った……」
のそのそと這い出て、ややあって立ち上がる。
固まった筋を伸ばすように、背中を反らした。
「村尾君、お疲れ様! これで当番終わりだからね」
肩を回したり、上体を捻ったりしている俺の前に彼女が躍り出て、親切に告げてくれた。
「了解。堂本さんは?」
「私はまだ代理の当番が……」
言いかけた彼女を、誰かが呼んだ。
すぐさま振り返り「はーい」と返事をしている。
「っと、それじゃあ村尾君、また片付けの時にね」
それだけ言い置いた彼女がひらり、と身を翻した。
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