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※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。
千景さんの残していった気持ちを、私達は無碍にできない。
だけど選ぶのは私達じゃない。
「草麻さん、生き方を変えますか。変えませんか。選んでください」
〈File75:メランコリック〉
「ハーアー……」
語りかけるような溜め息をついて、智世は応接用のソファーに背中から沈み込んだ。
「上手くいくって思ったんだけどなあ……」
そうぼやいたのはケントだった。
智世とケントは揃って重々しく長い溜息をこぼし、横目で互いを見やってすぐに顔を背けた。
2人の前に労いのマグカップを並べる。
「仕方ないわよ。いきなり生き方を変えるのって難しいもの」
草麻さんは生き方を変えることを選ばなかった。
でも変えないことを選んだわけでもない。
どちらも選べなかった、というのが1番近いように思える**********
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