「もう……ダメだって……ふぅ……もう……」
私は体中が敏感になっているみたいだった。すごく感じてしまう。
「はぁはぁはぁ……」
息が荒くなる。どうしよう……。このままだと、変な気分になっちゃう。
「ああん!」
わんちゃんにそんなつもりはないんだろうけど、舌使いが、なんかやらしい。胸の辺りを舐めていたわんちゃんが、だんだん下の方に……。
「はあ……はあ……あ……そこは……」
ああ……わんちゃんが、大事なところに顔を近づけて……。
ペロリ。
「ひゃうん!」
思わず声が出ちゃった。
「ちょっと……そ、それはさすがにまずいよぉ」
「ワン♪」
全然言うことを聞いてくれない。
「ああ……そんなに強く舐めないでぇ」
「ワウ?」
「はぁはぁ……」
わんちゃんは気づかないふりをして、そのまま舐め続けた。
「はうっ!」
そして、ついに私の一番感じる部分にまでやってきた。
「そこだけはだめぇ!」
わんちゃんはさらに激しく動き始める。
「あうっ! はげしいっ!……だめ……おかしくなるぅ!」
わんちゃんの舌の動きも早くなってくる。興奮してきたのかな?
「ああ……だめ……もう限界……イク……イッちゃう!!」
ビクン! 体が痙攣する。頭が真っ白になった。わんちゃんはそれを見て、ようやく顔を上げた。
「はぁ……はぁ……やっと終わった……」
体中の蜂蜜を舐め取って満足したのか、やっとわんちゃんたちは離れてくれた。やばい、私、わんちゃんでイかされちゃった……。
「はあ……はあ……気持ちよかった……」
そのあとシャワーできれいにして部屋に戻ったけれど、なんだかまだドキドキしている。
「おかえりなさい。大丈夫でしたか? 怪我とかしてませんよね」
「はい、大丈夫です。ご心配おかけしました」
「そうですか、それなら良かった」
そういってニコニコ笑っていたけど、なんだか風呂場で起きたことを気づかれたような気がして、どきどきした。なんでだろう。もしかしたら、あのわんちゃんが何か伝えたのかも……。
「小鳥遊さんって、犬好きなんですね」
「えっ? どうしてそう思ったんですか?」
「いえ、さっきの犬たちとのやりとりを見ていて、とても仲が良いなって思ったんですよ」
「さっきの犬たちのやりとり」って、何をさしているんだろ……。私、この人の見てる前で、そんなに犬とふれあったかな?
まあいいや、あんまり考えないことにしよっと……。そのあとは簡単にスケッチをして、仕事は終わった。ちらっと絵を見たけど、あんまりうまくなかった。個人でモデルを頼むくらいだから、絵をちゃんとやってる人かなっと思ったんだけど、そうでもないみたい。下手の横好きってやつかな。いや、それは失礼か。
わんちゃんとのトラブルがなければ、楽な仕事だったな。それさえなければ、またやってもいいけど……。でもなんでだろ、毎回なんやかんやでわんちゃんが襲って来そうな気がする……。(終り)