TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

私は個人で絵のモデルをやっている。今日のお仕事は、ちょっと変わった場所で行うことになった。ボクシングジムを借り切って、そこでデッサンするみたい。私、ボクシングやったことないけど、ポーズをとるだけだから別にいいのかな。

「ここのジムは、本格的なボクシングというより、ボクササイズとか、そういうのがメインだそうですよ。ちっちゃい子どもなんかも通っているそうです」

と、絵画教室の先生が教えてくれた。

「あれ、先生、画材道具とか、まだ来てませんか?」

「えっ、来てないよ。行き違っちゃったのかな? しょうがないなぁ、モデルさんの準備はもうできているのに」

私はすでに服を脱ぎ、裸で両手にグローブをつけてもらっていた。裸で一部だけ何かを身につけているのって、真っ裸より恥ずかしい気がする……。おまけにこのグローブ、一人では外せないやつなのだ。

「小鳥遊さん、すいません、ちょっと見て来るので、しばらく待っていてください」

「あっ、はい……」

ちょっと不安だけど、しかたない。先生は行ってしまった。私はその恰好のままで待つことにした。……しばらくすると、ガチャリ、とドアの鍵が開く音がした。誰か来たみたい!  先生たちが帰ってきたのかな? でもなんだか様子がおかしい。

扉が開いた瞬間、私は思わず叫んでしまった。だってそこに立っていたのは、数人の男の子たちだったんだもん。な、なんで? このジム、貸きりのはずじゃ!?

「こんにちはー!」

「失礼しま~す!」

「はじめましてぇ!」

「よろしくお願いしますぅ!」

と、元気よく挨拶してくる。ど、どうしよう……。みんな私の方を見ている。うわああああん!! 体を隠すために思わずしゃがんじゃったけど、ばっちり見られちゃったと思う。ああ、顔が熱い。きっと赤くなってるだろうな……。こんな姿を見られるなんて……。しかも今日ここにいるのは、小学生以下の子どもたちばかりだ。

「あのぉ、もしかしてあなたが、ぼくたちの相手をしてくれる人ですか?」

一人の子が質問してきた。相手って何のこと?

「ぼくたち、体験入学にきたんですけど……」

ああ、そういうことか。この子たち、間違えて入ってきちゃったんだ。私がそのことを伝えようとすると、

「すっごい、プロレスのマットだ!」

「おおー!」

「ここでやるのか!」

きゃあきゃあと騒ぎながら部屋に入って来てしまった。そして、一斉に私の周りに集まってくる。ひぃいい! こわいこわいこわい! みんな興奮している。ここはプロレスのマットじゃなくて、ボクシングの……、いやいや、それどころじゃなくて。(続く)

loading

この作品はいかがでしたか?

40

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚