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要するにカルム王子は俺にとって好都合だ。彼のような人間であれば俺はうまく制御でき、アルヴィアンにとって利益になる取引をうまく締結できる余地があると言える。彼にとっては俺以外に選択の余地はないけど、俺にとってはそうではない。このようなある種の非対称的な状況を意図的に作り出す、あるいはうまく利用することでアルヴィアンは躍進してきた。父上、レスター・アルヴィアンは高潔な人間だったけど、俺は多分そうではなくてむしろ邪悪な人間だと思う。俺は危険な橋を渡るし、手段を選ばず邪魔者は排除してきた。
そして、俺はそんな一面をこの客観的に見て人好きの良い笑顔の下に隠している。ジョー・アルヴィアンはいわばこの国における影の支配者で、邪悪だが正しいことをしようとする人間。俺はこの国を新しい方向に導くためにカルム王子を選び、彼は消去法で俺を選ぶ。でも戦略的な友好関係がいつか本当の友好関係になることもある。だからこそ、この世界は興味深い。俺はそう思うことがある。