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別れた理由もよくわからなかったし。いつでも話せる環境にいるのに、肝心なことは何も話せない。

そのもどかしさでおかしくなりそうだった。

「はい、すぐメール添付して送りますね」

何も変わらない元カレに悲しみがつのっていった。なぜこうなったのか、理由が聞きたかった。

それでも、もう|他の人《燎子》の恋人である以上、話すことは何もない。

「藤原さん」

唐突に後ろから話しかけられてビクッと肩が震えた。

「はい」

くるりと振り返ると、永井くんが会議の資料らしきものを持って立っていた。「ど、どど、どうかした?」

昨日の今日だ。もういつもの永井くんだと思って接するのは難しい。

変な胸の高鳴りで、舌がうまく回らない。

「この商品のモニターアンケートって集計済みですか?」

そう言いながら、永井くんは新商品の写真を見せてくる。

冷静で、少しぶっきらぼうな雰囲気。仕事はできるけど、ちょっとだけ距離を置かれている印象のある永井くん。

それでももちろん仕事はできるし、必要なコミュニケーションはきちんと取るし、会社にはなくてなならない存在だ。

「ちょ、ちょうど今それやってるから、あとで送るね。急ぎ?」

「午後の営業先に行く前には確認したいです」

「じゃあ、11時までには集計終わらせるよ」

「お願いします」

話を終えてデスクの方に向き直す。

あーーーー!! びっくりした。

抱かれたのなんか嘘のようにいつも通り。それがよけいにドキドキする。

いやいやいや、仕事中だよ。何考えてるんだろう。集中しなくちゃ。

大きく息をついて、パソコンにむかう。ガツガツとアンケート集計をこなして、社内チャットに添付して永井くんに送信した。

そっと視線を上げて、少し向こうの営業部のシマにいる永井くんに目を遣る。

外に出ていることが多いので、座っているのは珍しい。

きれいな顔だな。

ちょうど見える永井くんの顔は、相変わらず端正で美しい。

こちらの視線に気がついたのか、パソコンを見ていた永井くんの目がすっとこちらを向く。

あわてて目を逸らして、すぐ仕事の続きを始めた。なんか変に意識してドキドキが止まらない。

だめだな、これは。

ちょっとお手洗いにでも行って気持ちを何とかしよう。

席を立ち上がって、廊下に出たところでかちんと固まった。「藤原さん、お疲れ様です」

すっとしてきれいな声。

大学時代はアナウンサーを目指していたと風の噂で聞いたことがある。

抜群のプロポーションにエキゾチックな雰囲気。入社してすぐ秘書課の花形に躍り出たのも頷ける。

「……お疲れ様です」

「風見さんに、ちょっとお聞きしたいことがあって。いま居ますか?」

フロアへの出入りは自由だ。

わざわざ聞いてくるのも、嫌がらせなんだろうか。

たいした会話でもないのに、イラッとする自分が情けなく思う。

「はい、いますよ」

蜜音の花が開くとき~復讐のためにイケメン後輩と夜のサブスク契約結びました!?~

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