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校外学習三日目。班行動で古都の街を散策中――柊が地図を指さして言った。
「ここから三分で限定モンブラン。次は十分で抹茶パフェ。そのあと……」
息つく間もないスケジュールに、大地は首をかしげる。
「え、観光じゃなくてスイーツ遠征?」
「甘味こそ旅の核心」
柊はきっぱり。
1軒目。
「これが至高……!」
抹茶アイスを一口食べて目を閉じる柊。
その横で隼人が呆れ顔。
「お前、午前だけで何キロ砂糖取る気だよ」
「糖分は正義」
さらりと返す柊。
2軒目。
萌絵は写真を連写しながら悶絶。
「柊くん×スイーツ……尊い」
涼も冷静にメモを取りつつ、
「この熱量、推し活に匹敵する」
3軒目。
大地はついにギブアップ。
「もう無理……甘い匂いで頭が回んない……」
隼人は何気なく大地の肩を支え、
「ほら、水飲め。倒れんなよ」
その仕草に萌絵がキラリと目を光らせた。
「今の、尊っ!」
涼も無言でサムズアップ。
結局、夕方までに柊はスイーツ6軒を制覇。
「今日の俺、満点だな」
満足げに笑う柊に、隼人は半笑いで言う。
「糖分で頭まで甘くなってねぇか?」
「むしろ冴えてる」
大地は胃薬を握りしめながら心の中でつぶやいた。
(もう甘い夢、当分いらない……)