「ああ、、、、、、怒らせちゃった、、、」
凛がちい◯か並みの小さい声で呟く。
「謝ったら許してもらえんじゃね?知らんけど」
「そんなわけないじゃないですか、、、てかそんな度胸ある様に見えます?」
「見えないな」
「ですよねー、、、」
そんなこんなで、意気消沈していると、とても大きな悲鳴が聞こえてきた。
「きゃあああ!!!!!」
「この声、本家棟の方から聞こえますよ!行ってみましょう!」
凛は部屋を飛び出し、おれはそれを追いかける。
「なんか生臭くないか?」
その疑問は段々と確信は変わっていく。
やっと悲鳴が聞こえた部屋に着くと、恐ろしい光景が広がっていた。
「ひっ、、、」
そこには、脇腹に穴の空いた刻紀の死体が転がっていた。入り口の近くには、侍女が腰を抜かしている。
「誰がこんなことを?」
「知りませんよ、、、なんでこんな酷い死体が、、、」
立ち尽くしていると、奥からバタバタと男たちが走ってきた。
「お引き取りください。ここは我々が対処します。」
「いや、、、でも、、、」
「とにかくお引き取りください」
そう言われて俺たちは部屋へ戻されてしまった。
「うーん、雪さまが心配ですね」
「もう一回行ってみるか」
そうして本家棟へと続く廊下を歩いていると、雪とすれ違った。
「お前何してんだ?分家棟は向こうだろ?」
「それになんか疲れてますか?力も減って、、、」
そう聞くと雪は「何でもない」と言って帰ってしまった。
「何だったんだ?あいつ」
「変ですね、、、何してたんでしょうか?」
「でも、やっぱり部屋に戻ろう。行くぞ」
そうしてきた道を引き返し、それぞれの部屋に戻ったのだった。
次の日、準備を整え3人で屋敷を出るが、道中の空気は最悪だ。
「、、、次は何処へ行くんですかね」
「何で敬語なのかしらないけど、何度も言わせないでよね。風雷山に行くんだってば」
、、、、、、
あーなんでこんな気まずいんだよーどうにかしろよー
「、、、変ですね。妖怪が騒いでます」
凛は犬耳をピクピクさせて呟く。
それ、その為にあったんだ。
「そうね、近くにでかいのがいるわよ」
「それってやばくね?」
そう聞いた途端、近くの茂みや木からぬるりと猿(?)が顔を覗かせる。
「あいつは妖怪?本物?」
指を差して聞くと、リンが教えてくれる
「妖怪ですね、見えないだけで結構いますよ」
本格的にヤバいんじゃないか?
「相手すんのもめんどくさいし、ボスが出てくんのもだるいわね」
雪が溜息をつく。
「こう言う時は、逃げるが勝ちよ!」
雪はそう言うと走り出し、俺たちもそれに続く。
「めっちゃ追いかけてきてるやんけ!どうすんだよ!」
「知らないですよ〜!撒くしかないでしょ!」
そうして結構走り続けるが、撒けそうも無い。
「ヤバいわね、行き止まりよ」
森に囲まれた少し開けた場所に出る。
「⁉︎」
周りに沢山の猿妖怪。
「誘い込まれた!まずい!」
その時。
「雪さま!危ない!」
凛が雪を突き飛ばすのと、大きな猿の爪が凛を引き裂くのは、ほぼ同時だった。
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