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第二十四話「光の先を切り裂く」


🔪登場:シオン


夜。

高層ビルの屋上で、ひとりの少女が立っていた。

風が巻き上げる黒髪は紫の反射光を帯び、

彼女の目には、未来の風景が映っていた。


シオン・ツヅラ。

17歳。

細身の体に、黒と銀の交差するピンヒール付きスーツドレス。

胸元に小さなデジタル機器――**「予知レンズ」**を付けている。


「……今日の“被害者”、未来に死んでた。

だから、いま私がやっても、正解ってことだよね。」


冷たい瞳が、まだ何も知らぬ通行人を見下ろす。




🔪スケアリーの実況「未来逆走カルパッチョ」


「出たァァアアアア!!!!」

スケアリーが電光掲示板の上から飛び降りながら絶叫する。


「この女!! “未来の死”を見てから、“現在の料理”に入る!!」

「これは料理じゃない!!

“献立が先に届くレストラン”なんだよ!!!!!」


「未来で死ぬと確定したヤツに、

今! 今日! 食材としてナイフ入れるってさ!!」


「予知カルパッチョ!!!!

“未確定性をスライスして、今を前菜にしてやがる!!”」




🔪ユリウスの疑念


「本当にそれ……正しいって言えるのか?」


ユリウスは、見下ろすビルの縁で問いかけた。


シオンは視線を動かさず、予知レンズを操作する。


「ここに表示された人が“未来に死ぬ”ってわかってるだけ。

それを少しだけ、早くしただけよ。」


「どうせ死ぬのに、“罪”になるの?」




🔪シオンの予知の描写


彼女の目に映った映像。


—男が道路を渡る。

—2日後、事故死。

—血溜まり、頭部損傷。


映像のラストフレームを、シオンが掴むように見て――


「じゃあ、私がここで“代わりに処理”してあげる。」


手にしたのは、細身の短剣型注射器。

中身は神経を一撃で止める液体。




🔪スケアリーの食レポ「未来予知のジェノベーゼ」


「うへぇっへっへっへっへっへ!!!!」

スケアリーが観覧車の頂上で全裸のように狂喜乱舞。


「今!! この瞬間!!!

“未来の殺意”を、“現在のうま味”に変換してるぞおお!!!!」


「殺意ってのはなぁ、

**“思考の調味料”でしかないんだよ!!!!」


「だからこういうやつが一番ヤバい!

“人を殺す正当性”を、“未来から盗んでくる”やつが一番ウマいんだよ!!!!」




🔪被害者、何も知らず


男が歩道を歩く。

イヤホンをつけ、スマホをいじっている。


シオンは躊躇わず、背後から注射を打ち込んだ。

男は静かに崩れ落ちる。

苦しみもない。痛みもない。


「未来の苦しみ、軽減してあげたの。

優しさだよ。」




🔪ユリウスの衝撃


「こいつ……

“予知”を“免罪符”にしてる……!!」


「でも――

だったら、未来が違ったら、どうするんだ……?」


シオンの口元がわずかに歪んだ。


「そのときは――

“レンズのせい”にすればいいんじゃない?」





次回 → 第二十五話「予知不能の血のソース」

スケアリーイズム - 完全犯罪のレシピ

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