🔪登場:シオン
夜。
高層ビルの屋上で、ひとりの少女が立っていた。
風が巻き上げる黒髪は紫の反射光を帯び、
彼女の目には、未来の風景が映っていた。
シオン・ツヅラ。
17歳。
細身の体に、黒と銀の交差するピンヒール付きスーツドレス。
胸元に小さなデジタル機器――**「予知レンズ」**を付けている。
「……今日の“被害者”、未来に死んでた。
だから、いま私がやっても、正解ってことだよね。」
冷たい瞳が、まだ何も知らぬ通行人を見下ろす。
🔪スケアリーの実況「未来逆走カルパッチョ」
「出たァァアアアア!!!!」
スケアリーが電光掲示板の上から飛び降りながら絶叫する。
「この女!! “未来の死”を見てから、“現在の料理”に入る!!」
「これは料理じゃない!!
“献立が先に届くレストラン”なんだよ!!!!!」
「未来で死ぬと確定したヤツに、
今! 今日! 食材としてナイフ入れるってさ!!」
「予知カルパッチョ!!!!
“未確定性をスライスして、今を前菜にしてやがる!!”」
🔪ユリウスの疑念
「本当にそれ……正しいって言えるのか?」
ユリウスは、見下ろすビルの縁で問いかけた。
シオンは視線を動かさず、予知レンズを操作する。
「ここに表示された人が“未来に死ぬ”ってわかってるだけ。
それを少しだけ、早くしただけよ。」
「どうせ死ぬのに、“罪”になるの?」
🔪シオンの予知の描写
彼女の目に映った映像。
—男が道路を渡る。
—2日後、事故死。
—血溜まり、頭部損傷。
映像のラストフレームを、シオンが掴むように見て――
「じゃあ、私がここで“代わりに処理”してあげる。」
手にしたのは、細身の短剣型注射器。
中身は神経を一撃で止める液体。
🔪スケアリーの食レポ「未来予知のジェノベーゼ」
「うへぇっへっへっへっへっへ!!!!」
スケアリーが観覧車の頂上で全裸のように狂喜乱舞。
「今!! この瞬間!!!
“未来の殺意”を、“現在のうま味”に変換してるぞおお!!!!」
「殺意ってのはなぁ、
**“思考の調味料”でしかないんだよ!!!!」
「だからこういうやつが一番ヤバい!
“人を殺す正当性”を、“未来から盗んでくる”やつが一番ウマいんだよ!!!!」
🔪被害者、何も知らず
男が歩道を歩く。
イヤホンをつけ、スマホをいじっている。
シオンは躊躇わず、背後から注射を打ち込んだ。
男は静かに崩れ落ちる。
苦しみもない。痛みもない。
「未来の苦しみ、軽減してあげたの。
優しさだよ。」
🔪ユリウスの衝撃
「こいつ……
“予知”を“免罪符”にしてる……!!」
「でも――
だったら、未来が違ったら、どうするんだ……?」
シオンの口元がわずかに歪んだ。
「そのときは――
“レンズのせい”にすればいいんじゃない?」
次回 → 第二十五話「予知不能の血のソース」
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