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#伝奇
#モキュメンタリーホラー
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「やれやれ。何とか今回もひと段落ってとこだな」
「……リョウ、何かごめんな。うち、てんぱってしもうてあんたを置いて逃げてもた」
「俺がそう指示したんだ。それでいい。……いや、結局、追いつくのが遅れたもんな。酷い目に遭わせて俺の方こそ、悪かった」
「い、いや、うちのほうはいつも通り、神様が全部もとに戻してくれたし……。リョウの首は?」
「ああ。何とか薄皮一枚繋ぎなおせたって感じだな」
廃屋となったコンビニを後にして数十分後。
私は夜道を走る商用車の後部座席に座り、運転席と助手席――、リョウさんとキミカちゃんの間で交わされるやり取りをぼんやりと聞いていた。
今日、私が見たもの……。
何もかもが悪夢じみていて到底現実とは思えなかった。
あの化け物、ライセサマの中から出てきた稚児姿の男の子が火を放ち、ライセサマを焼き尽くしたところまではよく覚えている。
その後、あの大きな男の人リョウが、いや、リョウさんが仕事で使う車で迎えに来てくれて――。
いや、ちょっと待って。
リョウさんなら少し前から私達と廃コンビニにいただけじゃない。
首だけの姿になって。
……首だけ?
ヨタヨタと足を絡めさせ、店の中にやって来たもう一方のリョウさんには首がなかったはず。
そして、首だけになったリョウさんを拾い上げ、無理矢理傷口にねじ込んで……。
キミカちゃんはキミカちゃんで今はすっかり元気な様子でリョウさんと話をしている。
あんなひどいことになっていた顔も傷一つなく、すっかり元に戻っている。
それにあの男の子はどこに消えたのだろう?
突如、ライセサマの中から現れて火を放った、稚児装束に身を包んだ小さな子供……。
あの子もキミカちゃんやリョウさん、そしてライセサマと同じで――どう考えても普通じゃない。
きっと私は頭がおかしくなったんだ。
今はそうでなくとも、いつかはきっと狂う。