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#【推しの子】
#SAKAMOTODAYS
おとうふ 紹介文読んで🙇
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りな
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「——えっ、地上波ゴールデン特番『ドッキリ★芸能界大爆破』の単独出演オファー!?」
楽屋で台本を受け取った私は、思わず声を上げていた。
「ええ。美裕ちゃん単独での仕掛け人兼ターゲット役よ」
黒岩Pが禁煙の楽屋で未点火の煙草を指で弄りながら説明をつなぐ。今回の企画は、ドッキリ番組の定番である『ニセの対談番組中に予期せぬトラブルが発生したら、アイドルはどんな神対応を見せるか?』という検証ドッキリだった。
「仕掛け人側として番組を盛り上げつつ、途中で美裕自身にも逆ドッキリが仕掛けられる二重構造ね。最近の美裕の『透明感とカッコよさ』のギャップを見せるには最高のバラエティ枠よ」
隣でスケジュールをチェックしていた兄の康弘が、少し心配そうに身を乗り出してくる。
「美裕、バラエティのドッキリは編集次第で悪意ある切り取られ方をすることもある。ネットのアンチや玲奈の件もある時期だ、気を引き締めていけよ」
「大丈夫だよ、康弘。バラエティもアイドルの大切な主戦場だからね!」
私は前世のオタク知識で培った『バラエティ番組のお約束』を脳内で反芻しながら、ニッと微笑んでみせた。
**【撮影当日:都内スタジオセット】**
ニセ番組のタイトルは『若手芸能人・ホンネ対談』。
仕掛け人としての私の役割は、共演する若手タレントの無茶振りに完璧な笑顔で対応しつつ、番組を円滑に進行すること……のはずだった。
「本番、3、2、1……スタート!」
スタジオのカメラが回る。
対談相手として座っていたのは、ネットで人気の炎上系若手タレント。彼は台本通り、私に対して少しトゲのある質問を投げかけてきた。
「美裕さんって、元男でトランスジェンダーっていう強烈なバックボーンがあるじゃないですか?ぶっちゃけ、それって売れるための『戦略』だったりするんですか?」
(……来た! バラエティ特有のあえて煽るような質問!)
私は落ち着いてカメラを見つめ、爽やかな笑顔を浮かべた。
「戦略というよりは、私の『人生そのもの』ですね。隠して嘘をつくより、全部曝け出してステージに立つ方が、観客のみなさんに最高の夢を見せられると思ったんです」
「おお〜! カッコいい!」とタレントが手を叩く。ここまでは完璧な仕掛け人としての立ち回りだった。
——しかし、ここからが番組スタッフの用意した『逆ドッキリ』の本番だった。
スタジオの照明が突如として怪しく明滅し、パッと暗転する。
ガタガタとスタジオのセットが揺れ、スピーカーから「ウーッ!」と警報音が鳴り響いた。
「えっ!? 何!? 地震!? トラブル!?」と叫び、パニックを起こして逃げ出す共演者とスタッフたち(※全員役者)。
仕掛け人だったはずの私は、予期せぬ大トラブルの演出に一瞬目を丸くした。
(あ、これ……私に対する逆ドッキリだ!)
前世で数々のドッキリ番組を見てきた私のオタク脳が、一瞬で状況を把握する。
スタッフが逃げ出し、スタジオに二人きり取り残された状況。普通なら悲鳴を上げて逃げ出すか、呆然と立ち尽くすのがドッキリとしての「正解」のリアクションだ。
だが——私の胸の奥で、アイドルとしての狂気がフッと目を醒ました。
(ただ怖がって逃げるだけじゃつまらない。画面の向こうの視聴者が求めてるのは……どんなピンチでも輝きを失わない『本物のアイドル』の姿でしょ!)
私は倒れかけたセットのパイプ椅子をサッと避け、パニックになって怯える共演者(役者)の肩をギュッと強く抱き寄せた。
「大丈夫です! 落ち着いてください! 私がついてますから!」
暗闇の中、スタジオの一筋の非常灯に照らされた私の顔。
恐怖に怯えるヒロインではなく、共演者を守り、カメラに向かって力強い眼差しを向ける「不屈のヒーロー」としてのポジション。
「もし本当に崩落が起きても、私があなたを庇います。だから……怖がらないで!」
その凛とした声と圧倒的な男前すぎる神対応に、仕掛け人であるはずの共演者の役者が、本気でキュンとして顔を赤らめて固まってしまった。
副調整室(サブ)のモニター越しに見ていた番組ディレクターが、「おいおいマジかよ……カッコよすぎだろ……!」と頭を抱えて唸っている。
そして——
**『テッテレー! ドッキリ大成功ー!!』**
明かりが一斉につき、プラカードを持ったスタッフたちが飛び込んできた。
「美裕さん! 逆ドッキリでしたー! っていうか、対応がカッコよすぎます!!」
「ふふ、途中で気づいちゃいました!」
私はカメラに向かって悪戯っぽくウィンクしてみせた。
**【放送翌日:ネットの反応】**
番組が全国放送されると、SNSやネット掲示板は爆発的な大反響となった。
**【朗報】C小町・榊美裕のドッキリ神対応がイケメンすぎると話題にwww**
**201 名無しさん@お腹いっぱい。**
昨日のドッキリ見た奴おる?
美裕ちゃん、逆ドッキリなのに仕掛け人の男守ろうとしててクソワロタwww
**202 名無しさん@お腹いっぱい。**
抱き寄せられた男タレント、本気で惚れてる顔してて草
姫ポジションじゃなくて王子様ポジションなの最高すぎるんだが。
**203 名無しさん@お腹いっぱい。**
元男とかどうでもよくなるレベルで肝が据わってるわ。
「私がついてますから!」の顔、国宝級のイケメンだったぞ。
**204 名無しさん@お腹いっぱい。**
王道アイドル(沙也加)、静のカリスマ(灯)、狂気(玲奈)に加えて
圧倒的ヒーロー(美裕)とか、C小町の属性過多で草www
楽屋でスマホの画面を見ていた宵闇灯が、フッと呆れたように息を吐いた。
「……たく。バラエティのドッキリでまでイケメン枠持ってかないでよ、美裕」
「美裕ちゃんカッコよすぎました〜! 私も美裕ちゃんに抱き寄せられたいです〜!」と沙也加が抱きついてくる。
そして、楽屋の隅でスマホを見つめていた神城玲奈は——
「……ふふ。やっぱり美裕ちゃんは……どんな暗闇でも誰かを守っちゃうんだね」
愛おしそうにスマホの画面を撫でる玲奈の瞳。その奥の闇は、美裕の「ヒーローとしての輝き」に照らされ、ますます歪で深い色彩を帯びていくのだった。
どんな罠も、どんなドッキリも、全部自分の光に変えて呑み込んでいく。
榊美裕のエンターテイナーとしての覚醒は、止まることを知らなかった。
(※ここからは神城玲奈視点となります)
テレビの液晶画面の中で、美裕ちゃんが笑っている。
昨日のドッキリ番組。
崩れかけたセットの暗闇の中で、怯えるタレントを庇い、カメラをまっすぐに見つめて「私がついてますから!」なんて言ってみせる美裕ちゃん。
SNSのタイムラインは「カッコよすぎる」「国宝級の神対応」「ヒーロー」って絶賛の言葉で埋め尽くされている。
「……あはっ。ふふふ……」
部屋の明かりを消した暗闇の中、ベッドの上で膝を抱えながら、私はスマホの画面を何度も何度も撫でた。指先が画面の美裕ちゃんの頬をなぞる。
ねぇ、美裕ちゃん。
どうしてそんなに輝けるの?
どうしてそんなに真っ直ぐで、強くて、綺麗なままそこに立っていられるの?
私ね、知ってるよ。
世界はそんなに優しくない。
地下アイドルだった頃、私が好きになった「光」はみんな偽物だった。
優しく笑いかけてくれた大人も、私を「推し」と言ってくれたファンも、みんな裏では私の汚いところを笑って、傷つけて、最後はボロボロにして捨てていった。
だから、私は学んだの。
本物の愛なんて、どこにもないって。
光なんて、触れた瞬間に自分の手を焼くだけの嘘っぱちだって。
なのに——美裕ちゃんは違う。
男として生まれて、自分の身体に傷を負って、世間から「元男」「イロモノ」って悪意をぶつけられて泥を塗られても……美裕ちゃんは腐らなかった。
トランスジェンダーとしての苦悩も、過去の泥も全部抱えたまま、もっと眩しい光になって見せた。
2.5次元舞台でも、映画のスクリーンでも、バラエティのドッキリでさえ……どんな暗闇に放り込まれても、誰かを守るヒーローになっちゃうんだもん。
(……ズルいよ、美裕ちゃん)
ぞくぞくっと、背筋に痺れるような快感が駆け抜ける。
胸の奥が熱くて、息がうまく吸えないくらい狂おしい。
こんなに綺麗で、傷つかない光が存在するなんて、私の人生に対するバグだ。
完璧で、正しくあろうとする美裕ちゃんを見ていると、私の壊れた心が「叫び」を上げるの。
壊したい。
引きずり降ろしたい。
あの綺麗な顔が、絶望で歪むところが見たい。
世間の悪意と私の歪んだ愛でぐちゃぐちゃにして、誰の助けも届かない真っ暗な泥の底へ落としたい。
だって——
そうやって全部を壊して、誰にも見向きもされなくなった美裕ちゃんを抱きしめられるのは、最初から壊れている私だけでしょ?
「美裕ちゃん……私ね、美裕ちゃんが世界で一番好きだよ」
ポケットから取り出した、小さな黒いお守り袋。
そこから取り出したのは、私がずっと大切に持っている、地下時代に狂ったファンから送られた錆びた小さなカミソリと、美裕ちゃんの切り抜き写真。
私は写真の美裕ちゃんの笑顔に、そっとカミソリの刃をあてた。
「美裕ちゃんがどれだけヒーローになっても……私が、美裕ちゃんの『唯一の不可逆な傷』になってあげる」
黒岩Pも、双子のお兄さんも、B小町の星野アクアも……みんな私を「危険な毒」だと思って警戒してる。
でも、遅いよ。
私はもう、C小町の『4人目』として、美裕ちゃんのすぐ隣にいるんだから。
鏡の向こうの自分を見る。
黒髪ロング、白い肌、光のない瞳。
世間が「狂気の新人」って持てはやすこの顔で、私は今日も美裕ちゃんに天使みたいな笑顔を向ける。
「待っててね、美裕ちゃん。最高のステージで……二人で一緒に、落ちようね」
暗闇の中で、私は一人、静かに笑った。
コメント
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あー、もう美裕ちゃんカッコよすぎだろ🔥!「私がついてますから」って逆ドッキリでヒーロー枠取るとかズルすぎる。沙也加ちゃんの抱きつきも可愛いし、玲奈の歪んだ執着が加速してて怖いけど美裕ちゃんへの想いが重すぎて逆に刺さる…この作品の“狂気と光”の対比が毎回たまらんわ。