この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
「……剛くん?」
「ったく、見られちまったか……」
家路を急ぐ大勢の人で溢れかえる銀座。
そのスクランブル交差点で、
奇妙な交わりを果たした恵里菜と剛。
恵里菜は剛が香織を泣かした理由を突き止める為に、
怒りの感情を胸の奥底でグラグラと沸かしていたが、
剛と向き合った途端、潮がひくように興奮が覚めてしまった。
それは剛が女装をしていたからではなく、
いつ如何なる時も男らしく堂々と立ち振る舞っていた剛が、
今にも泣き出しそうなぐらいか弱く見えたからだった。
(剛くんも王子と同じように、普段とは違う自分が心のなかにいたんだ……)
「どうした? 笑えよ……。店じゃ強面で通してっけど、これが俺の本当の姿だ」
わざと自虐的に言って笑う剛に、
かける言葉が見つからず黙***************
********
***********
***************************
*****************************
*****************************
**************
*************************
コメント
1件