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夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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蒼乃 月
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管野アリオ
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「なぁ…………今日……泊まっていかない?」
不意打ちとも言える恵斗くんの誘いに、私は微かに目を見開かせた。
もちろん、好きな人と夜を迎えられるなんて、こんなに嬉しい事はない。
「…………もしかして、嫌?」
眉目秀麗の恵斗くんなのに、唇から零れる彼の声は、所在なさげに弱々しく聞こえる。
「嫌じゃないよ……。恵斗くんに誘われて…………嬉し……い……」
私の答えに、彼は、良かった、と小さく呟き、まだ結びつけている状態の身体から肉杭を引き抜いた。
「喉乾いちゃったな。何か飲む?」
避妊具の処理を終えた恵斗くんが、ボクサーショーツを履いて、私に振り向いた。
「うん」
「じゃあ、ちょっと待ってて」
彼がベッドルームを抜け出し、リビングに向かった。
(今夜は、恵斗くんと一緒にいられる。すごい嬉しい……)
セックスの余韻と、彼の誘いに浸っていると、ヘッドレストに置かれている彼のスマートフォンが、無機質な音を立て始めた。
「恵斗くん、スマホが鳴ってるよ」
「あっ…………ああ……」
彼が困惑の面差しで、ミネラルウォーターのペットボトルを二本持って戻ってくると、一瞬スマートフォンに視線を配らせ、そのままベッドに滑り込む。
彼にペットボトルを手渡された私は、キャップをひねり、水をひと口含んだけど、恵斗くんは、電話に出ず、無視しているようだった。
「電話、出なくていいの?」
「……ああ」
恵斗くんは眉間に少しだけ皺を刻ませ、ゴクゴクと喉を潤している。
やがて、着信音がブツリと途切れ、彼がヘッドレストにペットボトルを置くと、スマートフォンを手にして、指先で画面を滑らせる。
スマートフォンを傍らに放り、私の肩を抱き寄せた。
「もしかして…………元カノ?」
「…………いや、間違い電話か何かだよ」
「…………そっか」
ほんの少しの間を置いて答える彼に、私の胸中が灰色に濁っていく。
(恵斗くんの様子を見ると、多分、元カノ…………なのかも……)
私が、ぼんやりと考えていると、彼に強く身体を引き寄せられた。
「さて……今日は理麻がお泊まりしてくれるって言うし……」
コメント
1件
うわー、第13話読み終えた!「泊まっていかない?」って恵斗くんからの誘い、めっちゃドキドキしたんだけど……スマホの着信で一気に空気変わったね。彼の「間違い電話」って返しが不自然すぎて、元カノ疑惑が頭から離れない。主人公の「灰色に濁っていく胸中」にすごく共感した。最後に強引に引き寄せるところも、ちょっと不安になる描写で続きが気になるわ…!