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る る あ ︵ ︵ 🌈🍑
かんすい
ジャワ島から国内線でバリ島へ。 「少し、俺から離れるなよ」 空港に降り立った瞬間、先輩が私の腰を引き寄せ、低く囁いた。 最新型のクラウンは日本に置いたままだが、ここでは先輩が手配した専用の送迎車が、私たちを深い緑の街・ウブドへと運ぶ。
食: ウブドの名物、『バビ・グリン』。スパイスを詰めて丸焼きにした豚。皮はパリパリ、肉は驚くほどジューシー。
シーン: 地元の人気店『イブ・オカ』で、手を使って肉を頬張る二人。 「……美味いな。でも、お前、さっきからあの現地のガイドにジロジロ見られてるぞ」 先輩の独占欲が、異国の熱気でさらに尖っていた。
夕食後、ライステラスを望むバーへ。 「……少し、飲み物を取ってくる。ここで待ってろ」 先輩が席を立った一瞬の隙。背後から声をかけてきたのは、彫りの深い顔立ちをした、褐色の肌の若者だった。
「……綺麗な人だ。この島は、君のような美しい客を歓迎するよ」 流暢な英語と、吸い込まれそうな瞳。彼はヴィラの専属スタッフの一人だと言い、私に見たこともない色のカクテルを差し出した。 「……一口、どう? この森の精霊の味だよ」
深夜、先輩は旅の疲れと、少し強めの地ビール『ビンタン』のせいで、天蓋付きのベッドで深い眠りに落ちていた。 私は、喉の渇きを覚えてテラスへ出る。 そこには、昼間の彼が立っていた。
「……主人は眠ったのか?」 「……ええ。……あ」 強引に腕を引かれ、ジャングルのざわめきが響く東屋へと連れ去られる。 抵抗しようとした声は、彼の熱い唇によって塞がれた。 先輩の、少し硬質で都会的な愛撫とは違う、野生の獣のような、強引で抗えない熱量。
「……ダメ、です……先輩が……っ」 「……彼は見ていない。今、君を味わっているのは、私だ」
スパイスの香りと、濃密な花の匂い。 月明かりの下、私は先輩以外の男に、身体の奥まで暴かれていく。 それは、背徳感という名の、これまでにないほど刺激的で、毒のように甘い「ご馳走」だった。
朝日が昇る頃、私は何食わぬ顔で先輩の隣に戻った。 「……ん、起きたか。……少し、汗をかいてるな。暑かったか?」 何も知らない先輩が、優しく私を抱き寄せる。
「……はい。……ちょっと、怖い夢を見て」 「……そうか。よし、今日は奮発して、海辺のホテルで**『アヤム・ベトゥトゥ』**を食べるぞ」
先輩の隣で、私は昨夜の熱を思い出しながら、罪深い空腹を感じていた。 美食の旅は、いつの間にか「禁断の味」を知る旅へと変貌を遂げようとしていた。