TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

蓮司「おーい、今日のテーマは“季節あるある”で行くぞ!」


日下部「……なんでそんな司会者っぽいんだ」


蓮司「気分だ! じゃまず“夏祭りあるある”から。金魚すくい、取れた試しない!」


日下部「ああ、あれは取れない前提だよな。ポイがすぐ破れるし」


蓮司「そうそう! で、破れて水だけすくうやつ!」


遥「……俺は、連れていってもらったことない」


蓮司「……え?」


遥「夏祭り。行ったら叱られるから、家でじっとしてた。だから“あるある”なんて知らねえ」


日下部「……」


蓮司「お、おう……。でも、ほら! 今ここで疑似体験すりゃいいんだよ!」


遥「疑似?」


蓮司「俺が屋台の兄ちゃん役やって、遥が金魚すくい挑戦! 『あー残念、すぐ破れた~!』ってな!」


遥「……バカみたいだな」


日下部「でも、想像するだけでもちょっと楽しめるんじゃないか」


遥「……そうかもな」


蓮司「おっ、素直に肯定した! 珍しい!」


遥「素直じゃねーよ。ただ……“もし行けたなら”って考えるのは、悪くない」


日下部「その“もし”を語れるのが、この部屋のあるあるだな」


蓮司「おおー、名言っぽい!」


遥「やめろ。変に持ち上げるな」


蓮司「はいはい。じゃ次、“冬休みあるある”! 宿題、絶対最終日に詰め込む!」


日下部「……俺は毎年計画的に終わらせてたけど」


蓮司「え、マジ? お前そういうとこ真面目すぎだろ」


遥「俺は……冬休みは休みじゃなかった」


蓮司「……」


日下部「家のこと?」


遥「ああ。手伝わされて、殴られて。だから宿題なんかやる余裕なかった」


蓮司「……そうか」


遥「“あるある”ってやつは、俺にとっては“なかったこと”なんだよ」


日下部「でもな、遥。それを“なかった”ってここで言えるのは大事だと思う」


蓮司「そうそう。俺らが“あった”って話すのと、遥が“なかった”って話すの、両方で“あるある部屋”なんだよ」


遥「……強引すぎる理屈だな」


日下部「でも、嫌いじゃないだろ」


遥「……まあ、少なくとも黙ってるよりはマシだな」


蓮司「よっしゃ! じゃあまとめ! “夏祭りあるある”は『金魚すくえない』、“冬休みあるある”は『宿題は結局終わらない』!」


日下部「俺は終わらせてたけど」


蓮司「そこは空気読め! そして“遥あるある”は――」


遥「やめろ。変な枠作るな」


蓮司「――“なかったことを、ここで話せる”!」


日下部「……いいまとめだ」


遥「……お前ら勝手だな」


蓮司「勝手で結構! ここはそういう場所だから!」


遥、口元だけ、かすかに笑う。

“あるある”の形は三人三様。

けれど、共有された今だけは、同じ季節の中にいた。




※3人で夏祭り行った回、どっかで書いた気が……ま、それはまた別の話(は?汗



無名の灯 余白、三人分。

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚