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ベルノ達がギルド内でNPCに話しかけた同時刻、プリンとミーシャは受付嬢に案内されギルド長の待つ客間で座って待機していた。
「客間に案内してもらって座って待ってるけど暇だねぇ。」
「まぁ、ギルド内でもなんかしら仕事が溜まっててすぐには来れないんだろうよ。それに早く終わってもあいつらと合流は出来ないだろうからな。」
「ベルノちゃん達のサブクエの方が面倒くさそうなの?」
「どっちも同じくらい面倒くさいよ。」
「ふーん。」
「ま、言えることはファストルで助けた爺さんの話してた自警団の減少にこのふたつのサブクエは関係があるってことくらいだな。」
「このゲームのプレイヤーは大変だねぇ。」
「渡り人と言って世界崩壊を招いた厄災を倒すのが目的だからな。その為にも情報が欲しいからこういう人助けというか面倒事にはどんどん首突っ込んでいかないと情報を得れないんだろうよ。」
「サクッと終わるストーリーじゃないもんねこれ。」
「一応ストーリーの方がメインで前やったイベントはオマケみたいなもんらしいからね。」
「でも、あれはアレで楽しかったからまたやりたいけどねぇ。」
「プリンお前近々また別のイベントをやるの知らないのか?」
「ふぇ?」
「今度はチーム戦というかギルド戦って言ってなプレイヤーが作ったギルド同士がバトルをする集団戦イベントが開始されるんだよ。」
「何それめっちゃ面白そう。」
「参加条件は当たり前だがギルドに所属していることだ。人数に関しては特に決まりは無いが多ければ多いほど有利だと思うぞ。」
「もし私らも参加するってなったらギルドに参加するの?」
「いやいや、参加じゃなくて私らでギルド設立して挑んでいこうぜ?」
「わぁお血気盛んな魔法使いちゃんだ。」
「とか言ってお前もウキウキだろ?」
「まぁ…うん。ここで活躍して今度こそ私の目指すかっこいい戦姫になるんだから!」
「今のところ素手でクマを倒し、グレンって奴と対等に渡りあったバーサーカールーキーって思われてるからね。」
「私のイメージ像とだいぶかけ離れてるんだよなぁ。」
そんな雑談をしてるとドアをノックする音が聞こえ、直ぐに一人の男が部屋に入ってきて対面のソファーに腰かける。
「初めまして。私はこの町のギルド長をさせて頂いてる『サハラ』というものです。」
(身長は180行かないくらいで意外と華奢な体躯をしてる。歳的には30真ん中くらいのおっさんで職業は私と同じ剣士なのかな?なんにせよ序盤のNPCにしてはかなり強そうな部類の人だなこの人。)
「初めまして。私は…そうだなぁ、冒険者のプリンって言うんだ。隣は私の友達のミーシャって言う。」
「この町に冒険者とは珍しい。例の街道を塞いでいたあのモンスターを倒してここに来たということか?」
「そうですね。あれを倒したのでこの町の人たちも隣街にいつでも行けるようになりました。」
「ありがとうございます。本来は私達の仕事なのですがそちらまで手が回らなくてですね…。」
「それって『自警団』の件と何か関係があります?」
「えぇ…。お察しの通り今町では自警団の方々が姿を消すという奇妙な事件が起きているのです。」
「知り合いからの話だと自警団は町の人たちがやってるらしくモンスターによる被害はほとんどないから消える理由も分からないって話だけど、まさかギルド側が人手不足だからって外に連れ出したりしてないでしょうね?」
「そんなことはさせませんよ。基本は町の中を守っていただき、本人が強く望むのならその時初めて町の外にギルド員数名と共に見回りをしてもらうって感じですので。」
「では、何故減っているのかは一切分からないのですか?」
「お恥ずかしい話ですか…。」
「…いくつか質問があるのですがよろしいですか?」
「私に答えられる範囲でしたら」
「まず、自警団の皆さんがいなくなった時期はいつからなのか?次に居なくなった自警団の方々の性別、年齢をまとめた上で教えていただきたい。」
「居なくなった方々の性別年齢に関しては少しお時間をいただくことになりますがよろしいですか?」
「構わないです。」
「では、先に自警団の皆様が居なくなった時期の話ですと丁度街道に例のモンスターが現れた頃ですね。日数で言えば大体1週間とちょっとと言った感じです。」
「7〜12日くらいの期間がありそこで消えてる訳ですか…。自警団が消える事件の他に些細なことでいいので依頼などは来なかったのですか?」
「同時期に近くの石材所にゴーレムが湧いたと依頼がありギルド員何名かを向かわせましたが倒せず、奇跡的に一人だけ帰ってきました。彼は何かを見たのか日陰の人目のつかない席でその日以降ずっと飲んだくれてます。」
「コレはベルノちゃん達に任せたサブクエの話だよね?」
「恐らくね。このクエストもあれと関連があるんだな。」
「それと他には変わったモンスターが出ると言うこともありますね。」
「変わったモンスター?」
「信じて貰えないでしょうがただのゴブリンが何故か無詠唱で魔法を使ったりする個体が出てきてるのです。」
「ゴブリンメイジとかは個体としているけどそれとは違うの?」
「メイジは分かりやすく杖とローブを着てます。基本人型の魔物が魔法メインに使うとなると杖は必須アイテムになります。長杖だけでなく片手杖のような短いものもありますが、とにかく杖もしくは魔導書を持っているものなんです。」
「にも関わらず『ふつう』の錆びた短剣とかを持ってるタイプのゴブリンが魔法を無詠唱で使ってくるわけか。」
「今はまだ個体数が少ないですが、例に出したゴブリン以外にも本来使うはずのない魔法や攻撃方法を持つ特殊個体のモンスターが現れており、現在はそちらの方に注力しており街道のモンスターや自警団の事件に関しても手が付けられないと言ったことになります。」
「…なるほど。何となく今のこの町が大変なことになってるのは把握しました。ではサハラさん、私達はここで少し待ってますので先ほどの自警団の行方不明者の情報をまとめたものを用意してください。」
「えぇ。すぐに用意してきましょう。」
そういい席を立ち軽いお辞儀をした後サハラと名乗った男は部屋を後にした。
「なんか、大変なことになったねミーシャ?」
「そうねぇ…。このゲーム思ってたより鬱展開とかやるのかな?」
「え?どゆこと?」
「まぁ、私の予想だけどそれ聞く?」
「ま、まぁ一応聞いておこうかな?」
「聞いて後悔しないでよね?」
「えっ、なんか怖いんですけど…。」