「瑞希ちゃんは――うん。余程、男に苦労したようだね」
まるで、占い師が客のバックグラウンドを言い当てるような口調で、お祖母さんが言った。
こくり、と頷かれて、それが既に確信に変わっていることを知る。
「……っ」
あまりに想定外のところから矢を放たれて、反応が遅れた。
もし、何かを試されているのだとしたら、今の間はまずかった気がする。
「あ、の……それは」
どういう意味でしょうか、と問うていいのか。
動揺が言葉の端に漏れた。
「ああ、そんな身構えなくてもいいよ。変なこと言って悪かったね」
頭を高速で回転させて、真意を探っていた私とは真逆の温度で、お祖母さんがひらひらと手を振りながら言った。
その軽さに、微かに強張りを解く。
「私も若い頃はダメな男に惹かれたもんさ」
ふふ、と小さな笑い声とともに、お祖母さんがウィスキーを飲む。 *****************************
**********************
*****
***************************
***********************
*****************************
*******
***********************
コメント
1件