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「……そろそろ起きなさい、アオイ」
「んぅ……後5分だけ……」
「アンタ……そう言う系の人だったのね」
「あれ?」
少し聞き覚えのある声に起こされ、俺はゆっくり目を開ける。
徐々に視界のボヤけが晴れてきて周りが鮮明になり、脳も起きてきた。
「……檻の中?」
「えぇ、そうよ」
俺はどこかの檻の中に居た、よくアニメである警察の鉄格子の牢屋みたいなイメージをしてくれるといいだろう。
牢屋の中にある硬いベッドに俺は寝かされていて隣にはアンナ先輩が丸イスに座ってこっちを見ていた。
「お、おはようございます、アンナ先輩」
「おはよ、その様子だと色々と復活したみたいね、こんな事言うのも変だけど初めましてかしら?」
そうか、アンナ先輩からすればあんな風になっていた俺しか知らない。
こんな感じで話す俺を見るのは初めてになる。
「そうですね……ごほん、初めまして、僕の名前はアオイって言います、その……アンナさんには色々と迷惑をかけました、すいません」
「あぁ、良いのよ?奴隷をしているとアンタみたいなのは良く居るの、次に入ってきた新人奴隷がそんな感じならアンタがこの経験を活かしてみてあげなさい、それより、今の状況ってどうなってるの?」
「牢屋と言う見慣れた場所に入ってます」
「まぁ、確かに私達には見慣れた場所よね、て、そう言う事じゃなくて」
「寝るとこがあって寧ろ少しいいほうです」
「あんた、ホントにどんな所に居たのよ……質問を変えるわね、アンタが気絶する前、何があったか覚えてる?」
「気絶する前……」
えーっと確か、
「目の前で男のナニがポロリしてました」
「あんた、ホントに頭大丈夫?」
本当にあったことなんですよ!
「まぁいいわ……私の方はアオイを店に案内した後、ちょっと用事を済ませたら時間が余ったのよ、だから、そこら辺の男におごらせてタダ酒でも飲みながら時間潰そうとナンパしよっかなって思って」
しれっとギャルみたいなことを言うなこの人。
「そしたら丁度いい頭の悪そうな男がいたのよ」
「丁度いい頭の悪そうな男って……」
「少し酔ったフリして近づいたらまんまと引っかかってね、すっごく値段高いところを奢ってもらった後ホテルに連れ込もうとしてきたから「アンタみたいに強引な人は嫌い」って言ってやったのよ、ま、最初からホテルなんて行く気はなかったけど」
「ほ、ほぅ」
「はぁ……ミスったのよね、その男、裏の人間だったのよ……それで仲間呼ばれてヤバいと思って逃げたけど捕まってここに居るわけ」
それって聞く限りアンナ先輩の自業自得な気がするんだけど……。
話が終わった時、ちょうど檻から見える奥の扉が開く。
「やぁやぁお姉ちゃん!起きた?」
「あ!」
入って来たのは男のアレを鎌で刈り取った張本人。
銀髪ロリっ子が眼帯を着けて来た。
「何?この子供、アンタ知り合い?」
「僕が気絶する前に会っていて……目の前でポロリさせてた人です」
「誰?このババア」
「な!?ババア!?」
アンナ先輩は顔を赤くして鬼の形相になってロリっ子を睨みつける……うお、恐っ。
あんなに怒ってるとちょっとした女性恐怖症が発動しそう。
「ま、いっか。どうせミーの部下が連れてきたんだろうし」
「部下?君は何者なの?」
「あ、そういえば自己紹介して無かったね、ごめんねお姉ちゃん」
そして海賊服とは裏腹に紳士の様なポーズをして自己紹介をする。
「ミーの名前は“ジュンパク”。この『アテナ号』の“男”海賊船長だよ♪よろしく♪」
……………………え、男?