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「やあ。晴れた晴れた」


マンションの管理人である筒井は、昨日の昼から夜にかけて続いた激しい雨が嘘のように晴れ渡った空を見上げながら、腰をポンポンと2回叩いた。


「暑くなる前に、マンションの花壇の植替えを城咲さんにやってもらわないとな」

「僕がどうかしましたか?」

「おおっ!」

筒井は足音も気配もなく近づいてきた城咲に驚きながら振り返った。

「いや、そろそろ花壇をね」

そう言うと、城咲は「ああ」といって植え込みを眺めた。

「そうですね。今週中に何か植えておきますよ」

「手入れの簡単なので頼むよ」

筒井は微笑みながら、城咲が引いているやけに大きなスーツケースを見下ろした。


「あれ城咲さん、彼女と旅行かなんかかい?」

「あいにくそんな素敵な相手はいないんですよ」

言うと城咲はスーツケースの上部をすっと撫でていった。

「ちょっと珍しい肥料が入ったので、実家の花壇もきれいに植え替えしてこようかと」

「ほう、肥料ね」

筒井はスーツケースから城咲に視線を移して微笑んだ。


「じゃあ、帰ってきてからでいいから、こっちの花壇も頼むね」

「了解です」

城咲は微笑み、小さく敬礼すると、からからとスーツケースを引っ張りスロープを降りて行った。



「いい男なのに、独身とはもったいないねぇ」


筒井はその颯爽とした後姿を見つめながら笑った。


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