「ねぇコバ。俺、いま麻衣とデート中なんだけどいつまでそこにいる気?空気読んでよ」
今にも真っ白な灰になってしまいそうな雰囲気で、パイプ椅子に座る小林さんに涼は言った。こうなっているのは涼のせいなはずなのに酷い言いようだ。
「僕だってただ邪魔をしたくてここにいるわけじゃない」
小林さんはズレた眼鏡を指で押し上げ、パイプ椅子に姿勢正しく座り直した。
顔を上げた時にはすっかり仕事の顔になっている小林さんは、真剣な表情で涼を見据えて言葉を続ける。
「だけど、そんな悠長なことを言っている場合じゃないんだ。涼、君は一刻も早く書かないと」
「分かってる」
「分かってたらここには来てないだろ。ほら帰るよ」
「まいー……」
引きずられながら、こちらに向かって手を伸ばす涼。仕事なら仕方のないような気もするし、でももう少しだけ一緒にいたい気持ちもあって、私は涼を連れていこう****************
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