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「うえぇ…気持ちわりぃ…」
心配を返せ。
けど、じゃああの泡は何だったんだ⁉︎
「ちっ、火を消されちまったわい」
「純粋に水を吐き出しただけみたいだな。空気を入れて広い範囲で確実に消すためらしい。相手の唯一の武器とみて戦意を削いだつもりのようだが」
酔っ払いは別に困ってるようでもない。ただ事実として消されたことを確認しただけと言う感じだ。
「誰が酔っ払いだ。俺っちはまだ酔ってねえやい」
そう言うおじさんの足元はおぼつかない。
「さっさと済ませろ。背びれと鱗がある程度残ればいい」
「分かったぜい、任せなっ」
返事したバルゾイおじさんは手首をくるくる回して火の消えた木切れを振り回したかと思うと、木切れは急激に伸びて大きな木槌となった。しかもそれは全体的に熱く焼けた炭のようだ。
「まあ、こんなもんだな。本物と違って俺っちの魔力が切れたら消えちまう紛いもんだが、コイツをやるだけならお釣りがくるわい。さあ、魚野郎。俺っちの爆炎槌、とくと味わいなぁっ!」
そこからは早かった。
バルゾイおじさんが一方的にボコボコにしただけだ。
だけど、その攻撃が恐ろしいほどの威力、破壊力だっただけで。
超スピードでいきなり顔面にぶち込まれた瞬間、爆発が起きる。ちょうど爆炎槌の頭くらいのサイズで。振り抜いて左下から右上へと振り上げ、爆発。この時点で魔獣の顔と腹は修復の効かない有り様だけど、バルゾイおじさんは手を緩めない。
腕が弾け飛び、腰から弾け飛び、肩から弾け飛び……あとは生き物だったかも知れない残骸が残っただけだった。