米屋side
「『話し合いをしようか』」
やられたな〜こりゃ
朱南ちゃんにはギリ勝てたけど、
秀次がいなきゃ多分やられてたな
秀次も朱南ちゃんとやってたら勝ててなかっただろーな
?「おれの言ったとおりだったろ?」
三雲「迅さん!」
迅さんの後ろにはうちの奈良坂と古寺がいた
迅さんに上手くやられたか〜
迅「おっなんか可愛い子がいるな!はじめまして」
雨取「えっ、は、はじめまして」
『うっわ………』
朱南ちゃんの冷たい目が迅さんをブッ刺してる
いつも秀次が迅さんに向けてるのとおんなじ暗い冷たい
迅「お、遊真、朱南!」
空閑「迅さん……」
迅「遊真けっこうやられてんな〜」
空閑「いや、普通に手強かった」
迅「朱南は……動けなくなって生身になったとみた」
『見えてるくせに』
迅「いや〜師範のことだから突っ込んで八つ裂きにするかと思ってたな」
『うるさい、その呼び方もやめて。重い弾がブッ刺さって動けなかったの。それに米屋先輩が思った以上にめんどくさかった』
米屋「朱南ちゃん〜?せめて手強かったとか強かったとか言ってくれない?」
てか今迅さん朱南ちゃんのこと師範って……
古寺「派手にやられましたね先輩……」
米屋「やめろ、これちょー恥ずかしい」
迅「な?秀次、だからやめとけって言ったろ?」
三輪「……わざわざ馬鹿にしにきたのか」
迅「ちがうよ。まぁやられるのは無理はない。なんせ遊真のトリガーは黒トリガーだからな」
米屋「マジで!?」
おいおい嘘だろ
迅「ちなみに朱南は旧ボーダーの創設者の1人で、おれの師匠だからな」
さっき師匠って言ってたのそういうことかよ
『特になにか教えたわけじゃないけど。あと、私はそこまで強くはない』
いや十分つえーよ
迅「おまえら善戦したほうだな。2人が殺す気なかったとはいえ……さすがA級三輪隊」
『随分上から目線……』
迅「普通の近界民でもごたごたしんるのに、黒トリガーまで敵に回したらやばいことになるぞ」
治「こいつを追い回しても何の得もない。城戸さんにそう伝えろ」
奈良坂「………そいつが街を襲う近界民の仲間じゃないっていう保証は?」
迅「おれが保証するよ。クビでも全財産でもかけてやる」
未来を見る副作用か
三輪「何の得もない……?損か得かなど関係ない……!」
わかる。だって三輪、お前は
三輪「近界民はすべて敵だ……!!緊急脱出!!」
昼間の空に一筋の光が走った
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夢主side
空閑「うおっ、飛んだ」
『なにあれ?』
迅「緊急脱出、ボーダーの正隊員のトリガーはトリオン体が破損されると基地に送還されるようになってる」
空閑「負けても逃げられるのか 」
『随分とすごい技術を……かなりトリオンを使いそうだけど』
迅「お?分かるか?」
『……なんとなくね』
米屋「あ〜負けた負けたー!しかも手加減されてたとかもー」
この人随分のんびりしてるな
三輪先輩とは真逆だ
米屋「好きにしろ!殺そうとしたんだ文句は言えねー」
……いや確かにそうだけど
精神おかしいんじゃないのか
空閑「べつにいいよ。あんたじゃたぶんおれは殺さないし」
『強気だね』
米屋「うわ〜なんかショック!」
米屋「じゃあ今度は仕事カンケーなしで勝負しようぜ一対一で!あ、朱南ちゃんも!」
『もう米屋先輩とは戦いたくないです』
米屋「ひどっ!」
空閑「ふむ……?あんたは近界民嫌いじゃないの?」
米屋「おれは近界民の被害受けてねーもん。正直、別に恨みとかはないね」
『じゃあ奈良坂さんと古寺さんは?』
米屋「あっちの2人は家壊されてるからそこそこ恨みはあるだろ。………今飛んでってた秀次なんかは姉さん殺されてるから一生近界民を許さねーだろーな」
奈良坂「陽介、引き上げるぞ!」
米屋「じゃあお二人さん!次は手加減なしで!」
歩いていく米屋先輩を見て思い出したことがある
『米屋先輩!』
米屋「ん?」
空閑「シュナ?」
米屋先輩を追いかけて目の前に立つ
『あの………なんで、米屋先輩は』
米屋「どした?」
『なんで勝手に私の連絡先、朱羽真に教えたんですか!』
米屋「………あ、あ〜いや〜だってアイツが教えろって聞かなくてよ。ずっと朱南ちゃんのこと探してたんだぜ?」
『でも困るんです!』
米屋「困るって……何が?」
『そ、れは……』
米屋「ま、そりゃ枯月家のお嬢さんがこんなとこいたら大変か〜」
『なんでそのこt』
迅「はいはいは〜い!一回ストップ〜」
ふわっと体が宙を浮く感覚がする
『首根っこ掴むな!』
迅「その話はまた今度にしなさい」
『……分かったよ。分かったから離してくれない?』
迅「じゃ、お前らは引き上げろ!」
米屋「うぃ〜す」
『ねぇ、ちょっと話聞いて……』
話をスルーしないで
昔は私がスルーする側だったのに←
あ、降ろしてくれた
迅「さぁ〜てと三輪隊だけじゃ報告偏るだろーしおれも基地に行かなきゃな。メガネくんはどうする?」
三雲「どっちにしろ呼び出しがかかると思うのでぼくも行きます」
呼び出し、報告………
三雲「3人はどこかで待っててほしい」
「「「うん/OK」」」
三雲「千佳、空閑はまだ日本のことよく知らないから面倒みてやってくれ」
雨取「分かった」
三雲「あと朱南さんも千佳に何かあったらお願いします」
『分かった………ねぇ』
三雲「?どうしたんですか?」
『報告って、私のことも言うんだよね……?』
三雲「え、まぁはい」
迅「じゃないと三輪隊と矛盾しちゃうからな〜」
だよね
『うん、知ってたからいいや』
三雲「………?じゃあ、またあとで」
迅「朱南」
修くんはもう歩き出しているのに悠一はわざわざこちらに来て小さな声で
迅「あまり自分を責めるなよ。みんな、待ってたんだから」
『え……?』
それだけ言って修くんの元へ行ってしまった
『………みんな、か』
空閑「シュナ?」
遊真に声をかけられてハッとする
『なんでもない』
期待なんてしちゃダメだ
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三雲side
三雲「あの……迅さん」
迅「どうしたーメガネくん?」
三雲「朱南さんと、師弟関係って本当ですか……?それに旧ボーダーって」
迅「まぁ、そうだね。てかボーダーなの聞いてない?」
三雲「いえ、昔は三門市に住んでいたときうことしか……空閑もむこうでの話は聞いているけどそれ以外はあまり話してくれない、と」
迅「あーらら、あの子ったら」
三雲「朱南さんはなんでむこうに行ったんですか……?」
ピタッと斜め前を歩いている迅さんの足が止まった
もしかして触れてはならないことを……
三雲「す、すみません。何でもないです」
迅「……朱南がむこうに言ったのは全部、おれのせいなんだ」
三雲「え?」
衝撃の言葉が出てきた
迅「おれは四年半前の大規模侵攻の時、ギリギリまで朱南がむこうに行くことが見えてなかった」
三雲「……迅さん」
迅「だからはっきりなんでかは分からないけど、朱南のことだ。きっと、こちらに来れば侵攻はやめるとか言われたんだろ」
どこか悔しそうな声な迅さんの顔は
見えなかった
いや
見ることが出来なかった
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