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俺にとってこういう『公式な食事会ではないが実質的には公式な食事会』は初めてであり、それがまさか『国王陛下の個人的な食事会』として行われるとは思わなかった。
「野ウサギの赤ワイン煮込みはアルヴィアンではあるのかい?」
ユリアスは俺を見つめながら質問する。
「アルヴィアンではむしろ赤ワインではなく白ワインを使うことが多いですね。クリームやキノコと煮込むことが多くて全体的にまろやかで繊細な味になります。あるいは前菜としてパテやテリーヌで食べるかの二択でしょうか?」
簡素な上着を着ているので先ほどまでと比べるとかなり快適であり、秋の終わり、あるいは冬の寒さから逃れることができている。そして狩ったばかりの野ウサギは赤ワイン煮込みで調理されている。おかげで俺は内側から血がたぎるのを感じる。
「調理に当てる時間があればもう少し煮込み時間が長い赤ワイン煮込みを食べられたんだがな。独特な風味があってだが濃厚だ。だがそれには数日かかるからな。」
国王陛下はワインを煽るように飲んだ後、そうワイングラスを置いて俺に話しかける。