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「聞いたことがあります。血や内臓をふんだんに使った煮込みのことでしょうか?」
俺はそう気さくに答える。国王陛下は満足したように告げる。
「そのとおりだ、食べたことは?」
「…父上は赤ワインが好きではありませんでしたし、母上は外国から来ました。それに俺は10年近くずっと外界と関係を閉ざしていましたし。」
俺はそう軽くうつむいて返し、国王陛下は一瞬表情を強張らせるが何もなかったように取り繕う。
「…そうだったな。何か食後に食べるか?」
「同じワインをもう1杯もらえますか?注ぐのは自分でするので瓶でいただきたいですね。ユリアス王子殿下、どういたしますか?あなたもワインを飲みますか?」
俺はそう行った後ユリアスに人懐こさと知性が入り混じったような表情を向けるが、ユリアスは視線をそらし、つぶやくように俺の質問に回答する。
「…僕は必要ないかな。」
ユリアスはあまり食が進んでいないように思える。単純にたまたま食欲がないだけなのか、官能を引きずっているのか、それとも俺が先程彼に話したことに思い悩むことがあるのか。