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16 - 第16話 地獄

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2025年01月08日

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文化祭の熱気が冷め、学校にはまた普段の静けさが戻っていた。だが、そんな平穏もつかの間、生徒たちの頭上に暗雲が立ち込めていた。

定期テスト

それはまさに、地獄の二文字そのものだった。

教室では、生徒たちがそれぞれの表情を浮かべていた。

いさなは、数学の問題集を握りしめながら苦悶の表情を浮かべている。

「くっそ…なんで2次関数がこんなに分からないんだ!」

隣でノートにさらさらと解答を書いているのはみりんだ。

「いやいや、いさな、問題の基本公式すら覚えてないじゃん。それ、暗記してから解こうよ。」

彼女は冷静そのものだが、わずかに疲れた顔も見せている。

一方、萌香はというと、完全にやる気を失って机に突っ伏していた。

「無理。覚えられない。私、もう終わった気しかしない…」

「萌香、それ昨日も同じこと言ってたけど?」

みりんが笑いながらツッコむ。

そんな中、担任の大橋先生が教室に入ってきた。いつものように飄々とした態度で、手には大量のプリントを持っている。

「さてさて、文化祭で燃え尽きたみんなにこれを配りますよ〜! 定期テストの模擬問題集だ!がんばってねー!」

その瞬間、教室中から悲鳴が上がった。

「ちょっと!先生、これ量多すぎでしょ!」

「模擬問題集ってレベルじゃない!これ、戦争だ!」

しかし、先生はみんなの抗議を全く意に介さずニヤリと笑った。

「文化祭であれだけ楽しんだんだからね。その代償ってやつだよ。じゃ、頑張れ♪」

その日の放課後、三人はカフェで勉強会をすることにした。だが、やはり進まない。

いさな:「もう無理!この問題考えるだけで頭痛くなる!」

萌香:「いさな、私も同じだよ。数学の数字見た瞬間に意識飛びそう。」

みりん:「あーもう、二人とも集中して!じゃなきゃ終わらないよ!」

みりんがどんなに頑張って教えようとしても、いさなと萌香は次々に脱線する。

「みりん、次の休みはどこ行く?」

「やめて、そんな話してたら完全にやる気なくなる!」

そして迎えた定期テスト当日。

「え、えーっと…この問題って何だっけ…公式…公式…!」

いさなはシャーペンを持つ手を震わせながら必死に問題と向き合っていた。

萌香は、すでに諦めたように天井を見上げている。

「次の問題に全てを賭けよう。これは捨てる…」

一方でみりんは、黙々と解答を進めているが、時折小さくつぶやいている。

「この範囲って絶対テストに出るって言ったのに、なんで出ないのよ…!」

放課後、結果が発表されると三人は揃って崩れ落ちた。

「これは…地獄だったね。」

いさなが真っ白になったテスト用紙を見つめてつぶやく。

しかし、みりんはニヤリと笑いながら言った。

「まぁ、いいじゃん。次、もっと頑張ればいいんだから!」

その言葉に、いさなと萌香は力なくうなずいた。次の戦いに備える決意を…少しだけ固めて。

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