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三人が放課後の廊下を歩いていると、教室で片付けをしていた先生が顔を出した。
「おーい、いさな、萌香、みりん!どうだった?テストの感触!」
先生はいつもの飄々とした笑みを浮かべながら、悪気がなさそうに声をかけてくる。
いさなはその場で立ち止まり、振り返ると力なく言った。
「先生、聞かないでください。もう…笑い話にもならないレベルです。」
萌香も続けて頷く。
「本当に地獄でした。いや、これを地獄っていうのも地獄に失礼かも…」
そんな二人の言葉を聞いて、先生は悪戯っぽく目を細めた。
「ほうほう、それは面白いねぇ。でもテストの結果が悪いと、補習だよ?夏休み返上の補習合宿とか、どうかな?」
その瞬間、三人はハッと顔を見合わせた。
「えええっ!?夏休み返上!?先生、それだけは勘弁してください!」
いさなが慌てて手を振る。
「じゃあ次はもっとちゃんと勉強するんだね?」
先生はニヤリと笑い、教室に戻っていった。
その後、三人は近くのファミレスに立ち寄った。
「もう補習だけは避けないと…夏休みが無くなるとか地獄超えだよ。」
いさながコーラをすすりながらため息をつく。
みりんはハンバーグを頬張りつつ、冷静に答えた。
「でもさ、逆に考えたら、ここから巻き返すチャンスがあるってことじゃない?」
「ポジティブすぎるよ、みりん…」
萌香が笑いながらフォークを置く。
その時、ふと思い出したようにいさなが言った。
「そういえば、先生が『次はもっとちゃんと』とか言ってたけど、どうやって勉強すればいいんだろう?またみりん先生に頼るしかない?」
みりんは肩をすくめながらも、どこか満足げに言った。
「まぁ、しょうがないなぁ。二人が本気で頑張るなら、私がまた教えてあげるよ!」
ファミレスからの帰り道、夕暮れに染まる街を歩く三人。
いさなが空を見上げながらつぶやいた。
「テストの結果が悪いのも、補習があるかもしれないのも地獄だけど…こうやって三人でバカ言いながら過ごす時間があるなら、まぁ、なんとかなるかな。」
萌香とみりんが顔を見合わせて笑う。
「そうだね。なんだかんだで、この三人なら大丈夫!」
赤く染まる空の下、三人の笑い声が響いていた。次に訪れる試練のことを、少しだけ楽観視しながら。