テラーノベル
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「………う、ん……」
女の子は、真っ白なシーツに包まれたベッドの上でゆっくりと瞳を閉じた。
とても静かな部屋で、耳の奥にピッピッと規則的な機械の音が響いていた。
体は重く、あの痛みがずっと続き気力を失っていた。女の子はそのまま、深い眠りへと落ちていった。
冷たい風が頬に触れる。
女の子はパチリと目を覚ますと、いつもの真っ白な部屋ではなかった。
「え……?どこ、ここ…?」
辺り一面、天井も床も壁も全てが赤黒い見た目の屋敷の中だった。
女の子は戸惑い、キョロキョロしていると、奥にある扉が開く。
そこから現れたのは、灰色の髪をツインテールに結った、紫の瞳の少女だった。自分と同じぐらいの年齢に見える。
🦇「あっ起きたのね。いらっしゃい、新しいお客さん」
少女は無邪気な笑顔で近づいてくる。
「新しいお客さん?あなたは…誰?」
🦇「私はルナ。ここはあなたが安心できる場所だよ。一緒にお茶会しましょ」
不気味な赤い屋敷とルナで不気味なはずなのに、不思議と嫌な感じはしなかった。それに、あの嫌な体の痛みは何故か無くなっていてすごく体が軽かった。
女の子はルナに手を引かれ、ゆっくりとダイニングルームへ向かう。
それから、不思議な生活が始まり、気がつけば3日経っていた。毎日ルナと一緒におしゃべりをしたりおもちゃで遊んだりお茶会をした。部屋の奥には白黒の奇妙な仮面を付けた4人の従者がいて最初は怖かったが、手際良く女の子のお世話をしてくれて無言で仮面を付けてる以外恐怖は無くなった。
夕方になり、女の子がベッドで目を覚ますとルナが枕元に座っていた。ルナの両手には、湯気が立つ温かいココアを持っていた。
🦇「今日はおもてなしでこのホットココアをあげる。とっても美味しいから飲んでみて」
「わぁ、ココアだ……!いただきます!」
女の子はカップを受け取り、一口すする。
驚く程に優しくて甘く、ホットココアの温かさが体中に広がり、いつも襲ってくるあの息苦しさがすうっと消えていく感じがした。
「美味しい……!なんだか、ここがほっとする…」
女の子は最後の一滴まで飲み干した。その瞬間。
「…あ、れ?なんでだろ……すごく、眠い…」
さっき寝たはずなのに突然の睡魔に襲われ、視界が歪む。カップが床に落ちそうになったところをルナが受け止めた。
(……ルナ…ちゃん?)
完全に意識を失う直前、視界の端に映ったルナの瞳は、あの無邪気な笑顔ではなく、とても冷たく冷徹だった。女の子は深い眠りへと落ちていき、その場に横たわった。
#一次創作
なべたろう🩵🐧推し
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1,629
もな
68
静まり返ったダイニングルームでルナは眠りについた女の子を見下ろす。
🦇「ふふっ。………あなたにぴったりな灯火のココア、どうだったかな?」
女の子が入った部屋からはモヤが出ず何も変わらなかった。
ルナは退屈そうにため息をつき、パチンと小さく指を鳴らした。その音に合わせて、4人の従者がやってきてルナに紅茶を挿れた。ルナは上品に紅茶をすすり、入れるはずだった白い扉を見つめる。
🦇「あなたはまだ、強かったのね。ここに来るには早すぎたみたい。……つまんないの」
ルナは紅茶を飲み干し、不気味に目を細めて微笑んだ。
🦇「──さぁ、始めよう」
To be continued
コメント
3件
「安らぎの不協和音」第7話、読みました。白い病室から一転して赤黒い屋敷への転換、不気味でありながらルナの無邪気さが不思議な安心感を生んでいて、読んでいるこちらも「ここなら大丈夫かも」と油断しかけました。最後のココアの場面でルナの瞳が冷徹に変わる瞬間、はっとさせられましたね。「灯火のココア」という名前や「あなたはまだ強かった」という台詞から、この屋敷が何らかの選別の場であることが示唆されていて、世界観の設計に引き込まれます。続きがすごく気になります!