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「俺の秘書を辞めろ」
「えっ？」
宝条さんが、突然言い放った言葉に、私は硬直する。
いったいどういうことなのだろう。
そのままの意味であれば、宝条さんの秘書でなくなること。
このまま、意味を受け取ってしまって良いのだろうか。
先程、鈴木課長に仲が良いと指摘されたから、その延長で冗談を言っているのではないだろうか。
でも、宝条さんがエレベーターに乗ってきたのは、人事部のフロアから。
まだ始業前だけど人はいるだろうし、私の異動についての話があったのであれば、そこにいたとしても不自然な点は全くない。
「あの」
私はおそるおそる口を開いた。
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